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1995 年度 実績報告書

有機溶媒を用いる酵素反応装置の試作と応用

研究課題

研究課題/領域番号 07558089
研究種目

試験研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

田中 和彦  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00025446)

研究分担者 吉田 安子  日本ガイシ株式会社, バイオ研究課, 主任研究員
中村 薫  京都大学, 化学研究所, 助教授 (10101239)
キーワードヘプタヘリセンジオール / 非水系バイオリアクター / 鏡像体区別反応 / リパーゼPS / ラセミ体 / 比旋光度 / リパーゼCAL / 不斉反応
研究概要

1.フラッシュエバポレーター,恒温循環水槽,冷却水循環装置,バキュームコントローラー,マルチタイマー,基質液送ポンプ,フルテフロンダイヤフラム式減圧ポンプを購入し,非水系バイオリアクターを試作した。
2.リパーゼPS2.99gとラセミ体ヘプタヘリセンジオール100mgを用いて,上記バイオリアクターによる鏡像体区別反応を行なったところ,光学純度98%の(P)-(+)-ヘプタヘリセンジオールを44.7mg得ることに成功した。この反応で生成したヘリセンジオールのモノアセテートは40.9mg,ジアセテートは15.1mgであった。モノアセテート,ジアセテートの加水分解により,(M)-(-)-ヘプタヘリセンジオールをそれぞれ光学純度80%,95%で得ることができた。
3.リパーゼCALを0.5g用いた鏡像体区別反応では,100mgのラセミ体ヘプタヘリセンジオールから光学純度92%の(M)-(-)-ヘプタヘリセンジオールが43.7mg得られることを見い出した。さらに,モノアセテート,ジアセテートの加水分解により,(P)-(+)-ヘプタヘリセンジオールをそれぞれ光学純度70%,87%で得ることに成功した。
4.この新規キラルヘリセン分子の比旋光度は,(P)-(+)-体が+1973°,(M)-(-)-体が-1965°と極めて高い値を有することを明らかにした。以上のようにリパーゼを使い分けることにより,(ビスヒドロシキメチル)[7]チアヘテロヘリセンの両方のエナンチオマーを高純度で,しかも多量に合成することに成功した。これらの光学活性(ビスヒドロシキメチル)[7]チアヘテロヘリセンを用いた新しい不斉反応の研究が大いに期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kazuhiko Tanaka: "Convergent Synthesis of Optically Active Bifunctionalized [7] Thiaheterohelicene" Tetrahedron Letters. 36. 915-918 (1995)

  • [文献書誌] Kazuhiko Tanaka: "Enantioselective Synthesis of Helical Molecules: Lipase-Catalyzed Resolution of Bifunctionalized Bis(hydroxymethyl)[7]Thiaheterohelicene" Tetrahedron Letters. 36. 1675-1678 (1995)

  • [文献書誌] Kazuhiko Tanaka: "Complexation with Helical Molecules: Helical Crystal Structure of Bis(hydroxymethyl)[7]thiaheterohelicene and Ethanol Clathrate" J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1995. 1873-1874 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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