研究概要 |
生薬植物である半枝蓮からMRSAに対して選択毒性が認められる有効成分を単離精製し構造決定を行うとともに,抗菌活性の作用メカニズムの解明を試み,下記の画期的な発見を世界に先駆けて行った. 1.メチシリンに対する最小発育阻止濃度(MIC)1,000μg/ml以上の高度耐性MRSAが各種のβ-ラクタム剤に対し0.5から3.9μg/mlのMICまで感受性を誘導する化合物(apigenin,luteolin,kaempferol,flavone等)を発見し,これらの薬剤に対し"β-ラクタム剤-感受性誘導薬"と名付けた. 2.MRSAに対する"β-ラクタム剤-感受性誘導薬"の新しいスクリーニングシステムの開発. 申請者らの発見は,β-ラクタム剤に対するMRSAの耐性機構を解明するうえで学術的に極めて重要な発見であるだけでなく,抗生物質の中で最も副作用の少ないβ-ラクタム剤に対する高度耐性MRSAの感受性を200倍から2000倍にも高めることができることを示しており,このような例は未だかつて見出されたことがなく極めて独創的で先駆的な発見と言えよう.
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