研究概要 |
平成8年度の研究計画に従った装置の基本的な設計および試作装置の製作を行った.これまで当研究室にて開発試用し,機械的な振動に対して安定であることが確かめられている水平式の光学顕微鏡(位相差顕微鏡,および暗視野照明顕微鏡の2方式)を使い,光学系および電気系統の改善を行った.特に高速の現象を高い精度で計測できるように時間分解能の改善した。この装置を使ってウニ精子微小管の振動波形を詳しく解析した結果、振動には一定速度の滑り運動を行う相(A)と周期的なゆらぎのみられるプラトー相(B)に分けることができることがわかった。Aはダイニンとチューブリンの強い相互作用(架橋)が生じている状態、Bは、その架橋が解離してATPの再結合までの状態ではないかと考えられる。現在、種々の阻害剤、ATP濃度条件を使ってこの仮説を確かめる実験を計画している。
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