研究課題/領域番号 |
07558103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石浦 正寛 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20132730)
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研究分担者 |
石野 良純 宝酒造株式会社中央研究所, 主任研究員
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 生物発光 / ルシフェラーゼ / 遺伝子発現 / リアルタイムモニタリング / シアノバクテリア / Synechccoccus |
研究概要 |
本研究の目的は、発光色の異なるバクテリアルルシフェラーゼを開発することにより、二種以上の異なる遺伝子の発現を生きたままの細胞で同時かつ連続的にモニタリングすることである。そして藍色細菌の生物時計の分子遺伝学的な解析に応用することである。 先ず、発光バクテリアVibrio harvehyi由来のルシフェラーゼ遺伝子luxABに突然変異を誘起し、発光色の異なる変異体の分離を試みた。多コピープラスミドpUC7にluxAB遺伝子を組み込んだプラスミドpLAV1をミューテーター大腸菌に遺伝子移入し、大腸菌25、30、37℃でそれぞれ一晩液体培養することにより、luxAB遺伝子に突然変異を誘発した。菌体からプラスミドを精製し、通常のrecA大腸菌HB101に再び遺伝子移入し、アンピシリン入りの寒天プレート上にまいて37℃で一晩培養してトランスフォーマントコロニーを形成させた。このコロニーの発光量と発光色を多プレートコロニー発光自動測定装置で測定し、数万コロニーをスクリーニングして発光色変異体を探索した。発光しないクローンや発光量の落ちたクローンは多数見つかったが、発光色の異なるものは得られなかった。フラビン酵素であるLuxA-luxB複合体では発光色の異なる変異体を得ることは困難なのかも知れない。 そこで、既に発光色変異が知られているホタルのルシフェラーゼ遺伝子lucを二発光色同時測定に利用することに方針を転換した。ホタルのルシフェラーゼluc遺伝子を組み込んだ藍色細菌用のプラスミドを作製し藍色細菌に遺伝子移入して発光を確認した。さらに発光色の異なる変異体遺伝子二種を用いて、発光色の異なるレポーターを作製し、それぞれ藍色細菌に遺伝子移入して発光を確認した。次に二波長測光装置を試作して二つの遺伝子の発現を波長の異なる二種の光として同時に測定することを試みた。二つのレポーターの相対発光強度などに問題があり、レポーター遺伝子や測光装置に改良を施す必要があることが判明した。現在さらなる改良の努力を続けている。 これと並行して、細胞内のCa^<2+>濃度変化を発光クラゲの発光タンパク質aequolinをコードするaequolin遺伝子を利用して藍色細菌で測定することを試み、発光を確認した。 一方、藍色細菌の生物時計を中核に担う生物時計遺伝子クラ-スターkaiABCをクローニングすることに成功した。このkaiクラスター領域には二つのプロモーター(P_<kaiA>とP_<kaiBC>)が存在し、その活性はサーカディアン変動すること、KaiA、KaiB、KaiCタンパク質によりフィードバック制御されていることが明らかになった(投稿中)。
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