研究課題/領域番号 |
07558112
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 大阪大学 (1996-1997) 岡崎国立共同研究機構 (1995) |
研究代表者 |
倉橋 隆 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90225251)
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研究分担者 |
金子 章道 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ケージド化合物 / cAMP / イオンチャネル / パッチクランプ / UV照射 / 嗅細胞 / 網膜 / コンピュータープログラム |
研究概要 |
近年、UV光照射によって物質を活性化するケージド化合物が開発され、生理学的実験に用いられるようになってきた。ケージド化合物は、光によって瞬時に活性化することや分解過程が光強度に依存して変化することなど、物質の挙動を光という物理量によって自在に制御できる特性を持っており、定量的なシステムの解析に有利な可能性を持っている。しかし、従来は、主にある物質が、ある細胞において効果を持つかどうかを調べるような定性的な実験に使用されてきたのみである。これは、主にケージド化合物を制御することができるシステムが市販化されていないことによる。本研究では、単一細胞からの電気的記録を得るパッチクランプ法と組み合わせのできる、UV照射装置と調光システムを製作することを目的として進行した。 パッチクランプ法で単一の神経細胞の活動を記録する際には、システムの振動を最小限に押さえる必要がある。ケージド化合物を励起するためのUV制御装置の振動などは記録を行う上で致命的とされる。そこで、UV光源とその制御部と記録を行う顕微鏡とはクオーツ製の光ファイバーで機械的に分離し、光ファイバーの出力を倒立型顕微鏡の落斜蛍光装置に接続した。光源には、100Wキセノンあるいは水銀ランプを用い、光のOn/Offをシャッターで制御した。UV光量は、ウエッジフィルターで調節し、2log unitの変化量を持たせている。これらのシステムは、すべてパッチクランプの実験を制御する自作プログラム(Pascal言語とアセンブリ言語のルーチン)との統合環境下にあり、パッチクランプ実験を行いながら、UVの光量、光刺激タイミングを自在にコントロールできる様になっており、実験の確実性、迅速性に優れるシステムが整った。このシステムを利用して嗅覚受容器細胞内、あるいは味覚受容器細胞内の生理活性物質(主にサイクリックヌクレオチド)の生体効果を確認した。
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