研究課題/領域番号 |
07558123
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楠岡 英雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (00112011)
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研究分担者 |
橋本 克次 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
植原 敏勇 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (80243202)
西村 恒彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70237733)
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キーワード | 心筋 / 細胞内イオン濃度 / 灌流心 / 蛍光色素 |
研究概要 |
本研究は、細胞内イオン動態の測定法として、時間分解能に優れた蛍光色素を用いた手法を取り上げ、これを摘出灌流心標本に適用する際にこれまで問題となっていた点を解決し、より精度の高い計測の行えるシステムを開発せんとするものである。平成8年度においては、蛍光色素の摘出灌流心標本への導入の基礎的検討を行った。 1.灌流心において蛍光色素を注入させるためには、心拍動を停止、もしくは減弱化させる必要がある。このため、灌流液中のCa濃度を低下させ、併せて、高K溶液を使用する方法、ならびに、灌流液にBDMを添加する方法の比較検討を行った。 2.蛍光色素の注入は、灌流心の上方より行い、注入した色素を用いた計測は、注入面をレンズ側に向ける必要がある。このため、注入後に心臓のオリエンテーションを変える必要が生じるが、この際に、注入部位を見失うことがある。これを回避するために、心臓のオリエンテーションを確保する方法について検討した。 上記の検討の結果、蛍光色素注入法を用いて、摘出灌流心における細胞内イオン動態を測定する手法の基本的部分は完成し得た。しかし、この方法を日常的に、かつ、一般的に使用し得るよう、実用化するためには、まだ、解決すべきことが問題点が多く残されていることが明かとなった。 なお、本年度においては、蛍光色素によるカルシウム・イオン測定に共存蛋白質の及ぼす影響も検討し、発表した。
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