研究課題/領域番号 |
07558127
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
早川 聡 岡山大学, 工学部, 助手 (20263618)
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研究分担者 |
小川 雅樹 日本シャーウッド(株), 研究開発センター, 課長(研究職)
尾坂 明義 岡山大学, 工学部, 教授 (20033409)
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キーワード | 低融点ガラス / チタン金属 / 生体活性 / 熱膨張係数 / コーティング / 生体組織適合性 / アパタイト層 |
研究概要 |
Na_2O-SiO_2-B_2O_3系ガラスでは、擬似体液浸積中にガラスが浸食崩壊し、生体活性評価ができなかった。一方、Na_2O-B_2O_3-TiO_2系ガラスでは、TiO_2を25mol%以上含む場合でのみ約30日以内にガラス表面にアパタイト生成を認めたが、熱膨張率はTi金属よりも大きく、琺瑯系としては不適であった。K_2O系についてもほぼ同様の結果が得られた。そこで基本的生体活性ガラス50CaO・50SiO_2を中心にB_2O_3を添加し、融点ならびに熱膨脹のマッチングを図った。B_2O_3を25mol%含む45CaO・30SiO_2・25B_2O_3で線熱膨張係数がTi金属にほぼ等しく、琺瑯のコーティング用ガラスとして適していることがわかった。このガラスのTi金属へのコーティング用釉薬の調製条件を探索した結果、エタノールを溶媒としたスラリーが最適であることも見いだした。熱処理条件を種々変化させることによって、琺瑯ガラス表面形態が異なる可能性を示唆するSEM写真の結果も得た。^<29>Siおよび^<11>B MAS-NMRによると、この組成付近で[≡SiO]_2CaおよびSi-O-BO_3なる結合の割合が極大となり、擬似体液との反応によりBが溶け出してQ_3(O_<3/2>Si-OH)が表面に残存し、シリカゲル層の形成を誘起することがわかった。 以上から材料の基本組成としてCaO-SiO_2-B_2O_3を選択し、さらにNaFやCaF_2の添加によって融点を低下させ、Ca(II)の溶出を早めれば、機能性が向上すると示唆された。
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