研究課題/領域番号 |
07558129
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
峰島 三千男 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50166097)
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研究分担者 |
福井 清 (株)ニッショー医療事業部, 部長
太田 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40090659)
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キーワード | 医用化学工学 / 人工腎 / 腹膜透析 / 膜分離 / 在宅治療 / ダイアライザ / クリアランス / イヌ |
研究概要 |
研究計画にもとづき、CRPDの構成要素の1つである外付けダイアライザの至適設計について検討した。すなわち、試験ダイアライザによる性能評価実験を水溶液及びCAPD廃棄透析液系のSingle pass実験により検討した。具体的には供給液、透析液流量を広範囲に変化させた時の除去性能を表すクリアランスを尿素、クレアチニン、ビタミンB_<12>、β_2-ミクログロブリン、ミオグロビン、アルブミンの6種について求め、境膜抵抗による影響を明らかにした。次いで、既存のダイアライザの設計理論に従い至適仕様を求めたところ、例えば膜面積0.5m^2のcellulose triacetate膜ダイアライザの場合、中空糸の内径、有効長、本数、充填率をそれぞれ87μm、11.2cm、16,300本、50%とすることにより、内部圧力損失を50mmHg以下に抑えつつ、尿素のクリアランスを92.2ml/min(供給液、透析液流量とも100ml/minの条件下で)の性能を維持できることが明らかとなった。設計計算されたダイアライザを共同研究者の福井により開発し(設備投資の関係上、実際には中空糸内径200μmで設計しなおした)、腎不全犬を用いた透析実験により性能確認実験を行った。その結果、推算クリアランスの値より低値を示したものの、試験ダイアライザに比べ高い溶質除去能が確認された。推算値より低かった理由としては、設計計算を水溶液系性能評価実験の結果に基づいて行ったためで、水系と動物実験系の違いが表れたものと思われる。今後、腎不全犬を用いた透析実験を長期(1日〜数週間)にわたり施行し、CRPDの安全性を多角的に評価する必要がある。もし問題が生じた場合には、原因究明と同時に適切な対処法を考案し、必要に応じてシステムの改良を行う必要がある。同時に溶質除去能の経時減少を長期にわたって観察し、ダイアライザの適切な交換時期を模索する予定である。
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