研究課題/領域番号 |
07558133
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
森田 浩一 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20210172)
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研究分担者 |
山森 伸二 日本光電工業(株), R&Dセンター, 課長(研究職)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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キーワード | 蛍光生体顕微鏡 / 高速度CCD / 心筋内微小循環 / 細動脈血流 / slosh現象 |
研究概要 |
本研究は、(1)高速度CCD撮像素子と(2)ニードル型レンズを用い、(3)アクセス法を工夫した生体蛍光顕微鏡を開発して、これまで明らかでなかったin vivo心内膜側・心筋内冠微小循環解析を可能とすることを目的としている。初年度には生体顕微鏡システムを試作した。本年度は、冠微小血管の形状の鮮明な描出と血流評価などを容易にするためにプローブホルダーの開発、高効率の蛍光色素の開発と蛍光対応の高速度CCDプローブの検討を行った。あわせて、血流動態評価のための血流光マ-カを導入して、血流の可視化を行った。具体的には、プローブホルダーの支持装置については、それを硬構造とするか柔構造にするかの決定が必要であるが、両者を組み合わせ、できるだけ低荷重でアクセスできる心筋内・心内膜側微小循環観察用ホルダーについて検討した。そして、実際に生理的拍動下にある心臓の心内膜下微小循環での血管動態、血流動態の測定を行った。心外膜側では、拡張期優位な血流パターンを示しているが、収縮期逆流はほとんど見られなかった。一方、心内膜側微小循環系の血流速度では、収縮期の早期と中後期に逆流が生じ、かつ、明らかな拡張期優位な血流パターンをしめしていることがっわかった。これは、中隔枝動脈で観測されている血流パターンと同様なものであった。つまり、拡張期に一度心筋内に流入した血流が、収縮期に押し戻される"Slosh現象"を生じており、これが心内膜側が心外膜側よりも虚血にいたりやすい原因の一つと考えられた。このような"slosh現象"を引き起こす原因の一つとしては、心内膜側は心外膜側よりも、心筋収縮あるいは心室内圧上昇に伴う心筋内血管の圧迫力が強いため、収縮期逆流の増強が示唆された。
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