研究課題/領域番号 |
07558134
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
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研究分担者 |
岡本 健彦 (株)クラレメディカル, 開発室, 主任研究員
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (60259596)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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キーワード | 磁性流体 / 一酸化窒素 / 微細NO電極 / 血流ずり応力 |
研究概要 |
本研究の目的は、磁性流体の機能を利用して血管局所の血流動態を変化させ、その時の冠血管応答を計測するシステムを構築することである。近年、血管壁上の血流ずり応力依存性に血管内皮で産生される一酸化窒素(NO)の血管径調節因子としての働きが明らかになりつつあり、局所血流変化時の血管応答評価において局所NO動態のリアルタイム計測が重要な課題となっている。平成7年度は、電極法によるNO計測システムの構築を中心に以下のように研究を進めた。 【実験方法】本NO計測では数10pAオーダーの微小電流の検出が必要であるため、電磁気雑音を可及的に排除する高度電磁気シールドボックスを作製した。ボックス内に摘出血管灌流システムを設置し、イヌ摘出大腿動脈をマウントした。次いで、較正済みの微細NO電極(インターメディカル社)を、マイクロマニピュレータを用いて血管壁中膜に刺入した。NO産生量の灌流量依存性を計測し、さらにNO合成酵素阻害剤L-NMMA投与時、NOの基質であるL-arginine投与時のNO産生量の変化を観察した。 【結果】灌流量の増加に伴い(3〜36ml/min)、NO濃度は増加し(10〜124pA)、両者の間に良好な直線関係が得られた。すなわち、NO産生量のずり応力への線形的な依存性を直接NOの作用部位である血管中膜で確認した。また、生理的な一定灌流量においてL-NMMAの投与は電流値を最大で約100pA減少させたが、これはL-arginine投与で回復した。この結果より、本法によってNOが選択的に検出されていることが示され、本計測システムの妥当性が確認された。 現在、数値実験により、磁性粒子と緩衝液との混和条件、励磁コイルの強度と血管壁における局所ずり応力の制御性の関連を評価しながら、励磁コイルの試作を行っている。
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