研究概要 |
筋収縮時の酸素摂取状態を非侵襲的に測定するための方法を開発するために,最新の近赤外分光装置を用いて,その再現性の検討,侵襲的方法との比較,筋電図法との関係等を検討した結果,以下のことが明らかになった. 1)同じ被験者に同じ負荷条件での膝伸展動作を連続的に疲労困憊に至るまで行なわせ,その時の外側広筋からの光密度(OD)を測定した結果,異なる測定でのODの変化曲線はほぼ同じであることが見られ,装置の再現性が確かめられた. 2)筋収縮中の筋血液量を直接測定するために筋中にドップラー血流計を挿入し,近赤外分光法で測定した筋の血液量との関係を見た結果,両者の間には高い相関関係が見られた.この事から,近赤外分光法で表わされる血液量は筋血流量を表わす指標として信頼できることが明らかになった. 3)この測定方法を用いて,長時間の膝関節伸展筋力を発揮しているときの筋の活動状態を明らかにする実験を行なった結果,膝伸展に寄与する筋群の中で時間に伴い活動状態が交代する現象が見られた.この生理学的メカニズムを明らかにする研究を現在実施中である.
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