関数論理融合型言語のマルチメディアプログラミング環境の構築

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07558152
• 研究種目: 試験研究(B)
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 井田 哲雄 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (70100047)
• 研究分担者: 鈴木 大郎 筑波大学, 電子・情報工学系, 助手 (90272179) ; 加藤 和彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (90224493) ; MIDDELDORP アート 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (30251044) ; 清木 康 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (10169956)
• キーワード: 宣言型プログラミング / マルチメディア / 関数・論理型言語 / ナロ-イング計算系 / ヒューマンインタフェース

研究概要

1.関数論理型言語の設計と実装
関数論理型言語の設計と実験的実装を行った。本研究で設計したプログラミング言語は、関数型言語の特徴である高階関数、遅延評価、及び論理型言語の特徴である論理変数や非決定的な実行といった特徴を兼ねて備えている。この言語は、作用型条件付き項書換え系に対してナロ-イングを効率良く実行する計算系NCA(Narrowing Calculus for Applicative TRSs)に基づいている。構文的には、作用型条件付き項書換え系を基本に多くの糖衣構文を用意し、可読性の高いプログラムを書くことを可能にした。実装した処理系は、構文処理を行なうフロントエンド部と、翻訳を行なうコンパイラ部からなる。フロントエンド部では、局所定義の持ち上げやレイアウトルールの適用を行なう。局所定義の持ち上げには、ラムダ持ち上げを応用した技法を用いている。コンパイラ部は、フロントエンド部により処理されたプログラムをKISPのプログラムに変換する。
2.マルチメディアによるヒューマンインターフェイス
現在、いくつかの統合的プログラミング環境の調査を行い、それに基づきヒューマンインタフェースの設計を検討している段階である。この検討の一環として、マルチメディア・データに対応したメ-ラシステムを試験的に設計、実装した。このメ-ラシステムは、mime形式でエンコードされた画像、音声などのデータを受け取ると、そのタイプを自動的に識別し画像の表示、音声の再生などを行うことができる。

研究成果

• [文献書誌] 浜名誠: "作用型項書換え系に基づく関数論理型言語の設計と実装" 情報処理学会論文誌. 36(8). 1897-1905 (1995)
• [文献書誌] ミデルドープアート: "Simple termination is difficult" Applicable- Algebra in Engineering, Communication and Computing. 6. 115-128 (1995)
• [文献書誌] 中川康二: "遅延ナロ-イング抽象機械" 電子情報通信学会論文誌. J78- D- 1(5). 467-477 (1995)
• [文献書誌] 佐々木重雄: "制約解消系を備えた関数・論理型言語の処理系とその実装" 情報処理学会論文誌. 36(9). 2152-2160 (1995)
• [文献書誌] 山田俊行: "条件付き項書換え系における階層合流性のモジュラ性" コンピュータソフトウエア. 12(5). 72-84 (1995)
• [文献書誌] 浜名誠: "Equivalence Between the Quotient Term Model and the Least Complete Herbrand Model for a Functional- Logic Language" Proc. of Fuji Int. Workshop on Functional and Logic Programming. 155-170 (:1995)
• [文献書誌] ミデルドープアート: "A Deterministic Lazy Narrowing Calculus" Proc. of Fuji Int. Workshop on Functional and Logic Programming. 48-62 (1995)
• [文献書誌] 中原鉱一: "A complete narrowing calculus for higher- order functional logic programming" Proc. of the 7th Int. Conf.on PLILP'95, LNCS 982. 97-114 (1995)
• [文献書誌] 中川康二: "Compiling Programs of an Applicative Narrowing Calculus" Proc. of Fuji Int. Workshop on Functional and Logic Programming. 78-91 (1995)
• [文献書誌] 奥居哲: "Lazy narrowing: Strong completeness and eager variable elimmination" TAPSOFT CAAP. 394-409 (1995)
• [文献書誌] 佐々木重雄: "An Efficient Calculus for Constraint Functional- Logic Programming Languages" Proc. of Fuji Int. Workshop on Functional and Logic Programming. 171-185 (1995)
• [文献書誌] 鈴木大郎: "Level- confluence of conditional rewrite systems with extra variables in right- hand sides" Proc. of the 6th Int. Conf. on RTA'95. :1995. 179-193
• [文献書誌] 鈴木大郎: "Completeness of Narrowing for Orthogonal Conditional Rewrite Systems" Proc. of Fuji Int. Workshop on Functional and Logic Programming. 63-77 (1995)
• [文献書誌] 井田哲雄: "Leftmost outside- in narrowing calculi" Journal of Functional Programming. (発表予定).
• [文献書誌] ミデルドープアート: "Lazy narrowing: Strong completeness and eager variable elimination" Theoretical Computer Science. (発表予定).
• [文献書誌] 大崎人士: "意味ラベリングによる分配消去法-項書換え系の停止性証明法-" コンピュータソフトウェア. :(発表予定).