研究概要 |
(1)マルチメディアデータ取り扱いのための計算モデルの拡張 我々が開発した自律分散協調概念に基づく計算モデルKemariをベースとし,マルチメディアデータで必要となる機能を計算モデル自身で扱えるように拡張した.我々が開発した計算モデルKemariは,従来のオブジェクト指向環境より遥かに高い記述能力を有し,メッセージ交換のプロトコル,メッセージにより起動されるメソッドも,データとして交換することにより,メタレベルの記述が可能となった. (2)マルチメディアアプリケーションのための計算モデルの拡張 マルチメディアアプリケーションを構成するマルチメディアオブジェクトが持つべき特徴を抽出し,これをKemari計算モデル内に導入することにより,マルチメディアデータの処理が十分にモデリングできるように拡張した.これにより(1)とあいまり,メタレベルレベル記述可能なマルチメディア対応の計算モデルを構築した. (3)拡張された計算モデルに基づく言語の設計と処理系の作成 我々が開発した,Kemariに基づくプログラミング言語Delisに,(1)および(2)の結果を反映させ,マルチメディアデータを扱えるように拡張する.ついで拡張DeLisを設計し,その処理系を作成した.従来のDeLisは基本のKemariのもつ全ての機能を言語として持っており,その処理系はワークステーションのみならずパソコン上でも実現されている.拡張DeLisも同様の環境で実現された.
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