研究概要 |
マルチメディアネットワーク時代のデータベース技術として問題となる次のような点について研究をすすめている. 1)マルチメディアおよびハイパーメディアデータを必要に応じて分解する機能 2)種々の情報源から得られたデータを利用者の求める形に合成する機能 3)得られたデータでは利用者の求める形に合成できない場合,それが容易に分かるような出力表示および質問を改良するのを補助する機能 上記の目的に対する一般的な基礎研究と共に,インターネット上でのデータ検索および地理データを対象とした実用システムの開発を行いつつある.地理データは上記に挙げたマルチメディアデータベースでの問題が顕著に現れるため,この課題のもとでの研究開発の対象として重要である.ネットワーク上に分散しているデータの多くが何らかの形で地理的情報を持っているため,地理データベースにおける情報のソースは膨大なものとなっている.また,出力として地図を柔軟に構成するには,ここのデータから地図を合成しなければならない. 本年度の主な成果はつぎのとおりである. 1)地理オブジェクト同定におけるあいまいさを考慮し,連続オブジェクトの表現について検討した.分散環境で連続地理オブジェクトを表現するための知識表現言語を設計した. 2)広域ネットワーク上に分散したさまざまな自律的な情報源を統合/融合するためのメディエータシステムを地理情報処理向きに拡張する方式について検討した.メディエータに仮説生成機能を持たせた高度な分散情報源統合方式を提案した. 3)地理情報処理は従来の地図から得られる情報だけでなく,行政情報やイベント情報,個人情報など様々な情報を統合するものであるため,履歴情報まで考慮したメディエータによる情報源統合方式を提案した. これらを応用し,高水準質問処理機能を持つ地理データベースを実現したいと考えている.
|