研究分担者 |
西島 利尚 法政大学, 工学部, 助教授 (70211456)
稲積 宏誠 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00168402)
田島 正登 富山大学, 工学部, 助教授 (20251879)
鴻巣 敏之 早稲田大学, 情報科学研究教育センター, 助手 (60257194)
松嶋 敏泰 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (30219430)
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研究概要 |
各研究分担者が,今年度並列的に論文発表,口頭発表等で公開した研究成果の中から主なものを箇条書きすることにより,初年度の研究実績を以下に示す. 1.畳込み符号のシンドローム復号法により,軟判定に基づく一般的なメトリックを導出し,ビタビ復合法におけるメトリックとの定量的関係を導いた.これらのメトリックを通して,畳込み符号のビタビ復号法とシンドローム復号法との同等性を明らかにした(電子情報通信学会論文誌A). 2.受信系列が棄却された場合,棄却された系列と新しく再送された冗長部分を組み合わせて復号するtype2-ARQを設定し,達成可能な再送要求確率と復号誤り確率の下界を解析した.符号長の増大とともに両者は1回目の復号時よりも早く0に収束することからtype2-ARQは,棄却された受信系列をそれ以降の復号において有効に利用していることを明らかにした(情報理論とその応用シンポジウム). 3.バースト誤りに対する2元巡回符号の従来の復号法において,検出に止められていた多重ソリッドバースト誤りのクラスに対して,受信系列を巡回シフトしたものとその受信系列自身とを重畳することにより訂正可能とする復号法を与えた(電子情報通信学会論文誌A). 4.様々なメディアの情報源に対して,それぞれの統計的性質や特徴を分類・解析し,個々の性質を最大限に生かした圧縮符号化を行い,それぞれの圧縮効率を実験的に求めた.一方,マルチメディア情報源全体に対してユニバーサル符号化を行う場合の圧縮効率を実験的に求めた.その結果前者の圧縮効率に対して,後者の圧縮効率はほとんど遜色はなく,ユニバーサル符号化が十分にマルチメディア情報源に対しても有効であることを確認した(情報処理学会全国大会). 以上今年度の成果は,理論的研究が中心となった.来年度以降は,今年度導入したワークステーションに構築した実験システムにより,今年度までに得られた理論的結果の実証実験を中心に行う計画である.
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