研究分担者 |
福山 敬 鳥取大学, 工学部, 助手 (30273882)
多々納 裕一 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20207038)
田村 亨 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80163690)
巻上 安爾 立命館大学, 理工学部, 教授 (90121615)
桑原 雅夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50183322)
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研究概要 |
昨年度終了時点で,当初想定していた本線最外側車線(第1走行車線)上の走行状態に応じて流入車のみが行動選択を行うという交通工学における伝統的な分析仮説を再検討すべきであることを指摘したが,今回それを受けて交通挙動をいくつかのパターンに分類・整理したところ,確かに流入車両の動きと流入時点前後の周辺走行車の挙動に相互に密接な関係が認められた.すなわち,流入車と動揺に本線車も加速車線上を走行する流入車の挙動に意を払いながら相互に協力・牽制を行っており,この動的な相互作用こそが流入部における交通現象の本質であるとの結論に至った.そこで昨年度の作業で抽出した交通諸特性を説明変数ないし環境変数として,この交通現象をモデル化した.実測データを用いてモデルの現象説明力を検証したところ,良好な再現性が得られたため,その結果を平成9年7月に米国で開催される国際シンポジウムで報告する予定である. 一方,流入部におけるマクロな交通現象が,個々のドライバーのミクロな流入選択行動結果の集積として形成されるという観点に立ったモデル化については,上記の相互作用が存在するが故に交通流のマクロな振る舞いを解析的に記述することが極めて困難となった.そこで,走行安全性を含めた形でドライバーが認識するサービス水準指標を構成し,個々のドライバーがそのサービス水準の最大化を図るという行動メカニズムを内包したシミュレーションモデルを構築し,加速車線長が流入部の全体的な交通挙動に及ぼす影響を抽出して検討した.これらの結果は土木学会に発表予定である.現在は,これらの結果を組み入れ,道路設計の新たな方法論づくりへと研究を展開しつつある.
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