研究分担者 |
福山 敬 鳥取大学, 工学部, 助手 (30273882)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (20207038)
田村 亨 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80163690)
巻上 安爾 立命館大学, 理工学部, 教授 (90121615)
桑原 雅夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50183322)
|
研究概要 |
本研究は,交通環境が運転行動に及ぼす影響を運転行動分析の立場から分析し,運転挙動に内在する事故危険度と交通環境との対応づけを行うことにより,運転者の行動様式に即した形で交通行動を誘導し,目標とする安全水準を達成するための交通環境設計の方法論を開発したものである. 過年度においては高速道路流入部の主たる設計変数のひとつである加速車線長に着目して方法論の開発を進めてきたが,本年度はさらに視距と縦断勾配が潜在事故危険度に及ぼす影響を算定しうるようモデルの拡張を図り,複数の設計変数が事故発生の危険性に互いにどのようにかかわっているかを定量的に算定することのできるモデルとして再構成した.数値分析の結果,これらの変数相互の密接な関わり合いが明らかとなり,道路設計を設計変数ごとに個別に検討することの限界を示すことができた.検討した設計変数は3変数でしかないが,加速車線始端における走行速度等を介してさらに多くの設計変数を同じように考慮することが可能である. 以上の成果に基づき,同一の安全水準に対応する設計案を,複数の設計変数の値の“組み合わせ"として複数個作成したうえで種々の制約条件に即して選定するという新たな方法論を提案するとともに,事例研究を通じてその有用性を検討し,“運転行動分析に基づく潜在事故危険度分析と誘導型交通環境設計の方法論"としてとりまとめた.
|