研究課題/領域番号 |
07558178
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
門田 清 名古屋大学, 工学部, 教授 (60093019)
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研究分担者 |
松永 幸二 日新電機, 先端技術研究開発部, 主任研究員
佐々木 浩一 名古屋大学, 工学部, 助手 (50235248)
庄司 多津男 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50115581)
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キーワード | 負イオン / 酸素 / フッ素 / ヘリコン波放電 / 飛行時間型質量分析 |
研究概要 |
本研究においては、酸素、CF_4ガスを用いたヘリコン波放電による高密度プラズマを制御して、材料プロセスで重要な役割を演じる酸素、フッ素系負イオンの効率的な生成・引き出しを実現することにより、材料プロセス用の高効率負イオンビーム源としての実用化を目指して研究を進めている。 初年度に当たる平成7年度においては、先ず設備備品費で購入した高周波電源、排気系,磁場コイル、および消耗品費で取り揃えた放電部、真空チャンバーおよびガス導入系等の部品を用いて、研究の基盤となる負イオン生成用のヘリコン波放電型プラズマ発生装置を制作した。本装置を用いて、酸素、CF_4ガスによる高密度プラズマを生成し、静電プローブおよびマイクロ波干渉計でプラズマラパメーターの測定を行った結果、当初に予定した10^<12>-10^<13>cm^<-3>の高密度酸素、CF_4プラズマを生成することができた。また、プラズマ生成用の高周波を時間的にON-OFF変調して、プラズマ密度・温度のプラズマ変調の周波数、パルス幅などによる依存性を調べ、放電ON期間には5-6eVの高温の高密度プラズマが生成され、OFF期間には1eV程度の低温で高密度が保たれていることを確認した。 CF_4プラズマに関して、現有の飛行時間型質量分析器を用いて負イオン測定を行った結果、負イオンは放電OFF期間だけに観測され、F^-イオンのみが存在することが分かった。このF^-イオン強度はプラズマ密度と共に増加し、少なくとも1.5-10mTorrのCF_4ガス圧力範囲内では、圧力が低いほど生成効率がよいことが分かった。プラズマの時間変調に対応させて負イオンの時間変化を測定することにより、変調周波数を上げた方が生成効率が上がることも分かり、負イオン信号とプラズマパラメーターとの相関について、有用な実験データを得ることができた。なお、プラズマからの負イオンの引き出し特性に関しては、来年度以降の課題として残った。
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