研究概要 |
前年度までに様々な羽根形状のサボニウス風車の基本特性を調べ,集風装置を付加することによる出力向上を確認した。しかし計測,制御装置に問題があり,精密な負荷調整が困難であった。これを踏まえ今年度は,より再現性の高い実験データを取得するため,実験装置の改良を行うとともに、更に性能を向上させるための集風板の形状について検討した。具体的には,以下の通りである。 (1)高速回転時の風車の安定性を向上させるため,中心軸を取り付けた。中心軸により羽根のギャップで空気の流れが阻害されるが,実験ではこのことの悪影響はほとんどみられなかった。 (2)負荷装置として,電流により制御されるヒステリシス電磁ブレーキを取り付けた。これにより高精度のトルク制御が可能となった。 (3)微小トルクセンサとフォトインタラプタによる計測装置を製作した。これにより高精度で応答特性のよい出力測定が可能となった。 (4)実験により平板型集風装置の限界が明らかになったので曲面型集風装置を設計するための数値計算を行った。その結果,定性的に実験データとある程度一致したが,定量的には大きな開きがあった。その原因として,実験装置の摩擦損失等を組み込んでいないこと,乱流モデルの不適合,離散化格子の荒さ,などが考えられた。
|