研究課題/領域番号 |
07558199
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
鵜野 伊津志 国立環境研究所, 大気圏環境部, 室長 (70142099)
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研究分担者 |
清水 哲夫 STEC株式会社, 技術本部開発設計グループ, 課長
神田 学 東京工業大学, 工学部, 助教授 (90234161)
植田 洋匡 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70026186)
横内 陽子 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (20125230)
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キーワード | 物質フラックス / コンデイショナルサンプラー / 渦相関法 / テルペン放出 |
研究概要 |
環境大気中に放出・除去される様々な物質フラックスの定量的な計測が地域環境から地球環境の正確な予測に重要である。このような放出量の測定には渦相関法が精度が高く信頼できるが、そのためには10Hz程度の時間応答性を持つ分析機器が必要となる。これに代わるものとして、コンデイショナルサンプリング法(Eddy Accumulation法、渦積分法とここでは記す)が注目を集めている。本研究では、高速応答のマスフローコントローラー(MFC)を中心とした渦積分法によるサンプリング装置の開発と試作を行った。MFCとしては最高速の応答(98%応答で0.2sec)用い、システムの時間遅れを0.1sec程度にすることができた。また、濃度分析のためガスのトラップ方法とその分析精度・方法の検討を行い、テナックストラップをサンプリングシステムの最前段に取り付け、時間遅れをゼロとするシステムを完成させた。 試作したシステム全体の応答性に関する室内実験を行った。実験には関数波形生成装置(Function Generator)を用いてシステムの時間応答についての基礎的なデータを取得し、試作したシステムが所期の性能を有することを確認した。また、過去に観測された大気乱流データをD/A変換後にシステムに入力し、様々な実際の大気乱流データに対する渦積分システムを特性を検討を行った。寒帯針葉樹林のテルペンフラックスを対象としたコンデイショナルサンプリング法と従来の勾配法の比較試験を行なった。その結果、試作システムによる結果は従来の勾配法と比較的よい一致を示すが、条件によっては濃度フラックスの逆転現象が観測され、今後システムの応答性向上と時間遅れに伴う測定誤差の検討を行う必要が判明した。
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