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1997 年度 実績報告書

高圧多次元NMR法の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 07558215
研究機関京都大学

研究代表者

森島 績  京都大学, 工学研究科, 教授 (50026093)

研究分担者 高橋 聡  京都大学, 工学研究科, 助手 (30283641)
石森 浩一郎  京都大学, 工学研究科, 助教授 (20192487)
キーワード高圧多次元NMR / 高圧下フラッシュホトリシス / ヘム蛋白質 / 蛋白質内電子伝達反応
研究概要

今年度も昨年度に引き続いて高圧多次元NMR法開発に向けて、いくつかの予備的な実験を行ない、内径1mm以下であるガラスキャピラリーでの2次元NMRは、10mM程度の非常に濃い試料濃度と通常の測定の3〜4倍程度の積算時間が必要であると結論づけられた。しかし、現有のNMRプローブではプローブ底が浅く、ガラスキャピラリーの作製は困難を極めることが明らかになった。現在、プローブの改造を検討しているが、プローブ底にはいくつかの測定用部品が装着されており、その改造は容易ではない。また、増圧機からの加圧用チューブをプローブヘッドまで導入することも考慮したが、加圧用チューブとNMR用試料管との接続部分の処理が容易ではなく、実現は困難であった。一方、高圧レーザーフラッシュフォトリシスの実験については、昨年度から検討しているルテニウム修飾ミオグロビンにおける電子移動において、さらに詳細な検討を進め、亜鉛からルテニウムへの電子移動ばかりではなく、その逆のルテニウムから亜鉛への電子移動の圧力依存性も明らかにした。その結果、同じドナー/アクセプターを用いても電子移動の方向によって活性化体積の符号が異なり、反応機構が異なることが明らかになった。また、高圧下での電子移動反応速度の温度依存性の結果から、高圧下ではその温度依存性が小さくなり、自由エネルギー差と再配向エネルギーの和(-ΔG+λ)が0になることが示された。これらの結果は、蛋白質構造の「揺らぎ」によって、電子伝達経路や自由エネルギー差、再配向エネルギー等も変わりうることを示しており、蛋白質の電子移動のメカニズムを考えるうえで、重要な知見を与えると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Uchida,T., Ishimori,K., Morishima,I.: "The Effects of Heme Pocket Hydrophobicity on the Ligand Binding Dynamics in Myoglobin as Studied with Leucine 29 Mutants" J.Biol.Chem.272. 30108-30114 (1997)

  • [文献書誌] Sugiyama,Y., Takahashi,S., Ishimori,K., Morishima,I.: "Pressure Effects on Electron Transfer Rates in Zinc/Ruthenium Modified Myoglobins" J.Am.Chem.Soc.119. 9582-9583 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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