研究課題/領域番号 |
07558234
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京都立医療技術短期大学 |
研究代表者 |
笠井 久隆 東京都立医療技術短期大学, 一般教養科, 教授 (80087163)
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研究分担者 |
立山 萬里 東京都立医療技術短期大学, 作業療法学科, 教授 (60118966)
須田 治彦 東京都立医療技術短期大学, 作業療法学科, 教授 (40051784)
水智 彰 三井製薬工業(株), 新薬計画部, 主席部員
熊倉 鴻之助 上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
伊藤 尚 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70082815)
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キーワード | アストパラン / クロム親和細胞 / 開口分泌 / カテコールアミン / ニコチン性レセプター / アセチルコリン / Gタンパク質 |
研究概要 |
本研究では、マストパラン(MP、14アミノ酸残基)のN末端側およびC末端側の4〜7残基から成るMP断片フラグメントおよびアナログ7種を固相合成し、ウシ副腎髄質クロム親和細胞からのカテコールアミン(CA)分泌活性に及ぼす影響をMPおよびアゴニストの共存、非共存下で検討し、併せてMPのもつGTPase活性促進効果に及ぼす影響をも検討した。これらのうち、N末端フラグメントINLK‐NH_2(I)とC末端フラグメントKKIL‐NH_2(II)について詳細に追跡し、興味深い結果が得られた。クロム親和細胞からのCA分泌活性はバッチ法(bath‐application system)により測定した。 【結果】(1)フラグメント(I)、(II)はいずれもCA分泌活性およびリシス活性を持たない。 (2)両者はMPによるCA分泌をmMオーダーで抑制した(IC_<50>=0.9〜1.0mM)。 (3)アセチルコリン(ACh)によるCA分泌をより強く抑制した(IC_<50>=300〜400μM)。 (4)高濃度K^+刺激によるCA分泌は抑制しない。 (5)カルバミルコリンおよびニコチンによるCA分泌も同様に両者ともμMオーダーで抑制した。 (6)ヒスタミンおよびアンギオテンシンIIによるCA分泌(Gタンパク質共役型レセプター)に対しては両者とも明確な抑制は見られなかった。 (7)DOC可溶化Gタンパク質(GTPase活性)に対しては(II)のみが活性化を阻害した。 以上の結果から、両フラグメントは異なる二つの作用点を持つこと、両フラグメントはnAChレセプターの機能をμMオーダーで抑制し、CA分泌を阻害すること、MPのGTPase活性促進効果はC末端フラグメントによって特異的に抑制されることが推定される。
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