研究課題/領域番号 |
07558236
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 正一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10143314)
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研究分担者 |
岩田 久人 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (10271652)
升田 真木彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00001719)
数坂 昭夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00002113)
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キーワード | エゾヤチネズミ / CYP2D1 / CYP2D2 / 薬物代謝多形 / モデル動物 / 薬物副作用 / DAラット |
研究概要 |
薬物代謝の多形は薬物相互作用とともに、薬物の副作用の原因として注目されている。この薬物代謝多形の研究に必要なモデル動物の確立を本研究の目的とした。 1)エゾヤチネズミの薬物代謝多形 北海道大学キャンパス内の森林より採取されたエゾヤチネズミに、肝薬物代謝酵素P450の分子種の一つCYP2Dの発現が顕著に低い個体が数匹発見された。これらの個体はブニトロロール4位水酸化やイミプラミン2位水酸化等、CYP2D依存の活性は顕著に低かったが、その他のCYP分子種に依存する活性は他の個体と相違はなかった(Hoshi et al. Drug metab dispos 1995)。この多形を飼育条件下で確立維持するため、数固体を捕獲、繁殖を試みたが、繁殖率が極めて低く、飼育条件の検討が更に必要である。また、北海道各地よりエゾヤチネズミを採取し、活性を比較すると、地域毎に大きな差があることが分かった。これが環境要因による差であるのか、環境による選択を受けた結果遺伝的にCYPの発現量の異る動物なのかを明らかにしたい。現在これらの動物をつかって、実験動物として系を確立すべく、飼育中である。また、活性の変動をもたらす環境要因として餌の影響を検討するとともに、農薬などの体内貯蓄状況の比較を行う予定である。 2)薬物代謝多形モデル・DAラットの低農物代謝活性の要因の解明 DAラットはCYP2D1の発現が欠損しているとされていたが、我々は、mRNAの存在、特異的ペプチド抗体による2D1蛋白の認識より、CYP2D1に相当する蛋白は発現していること,CYP2D2蛋白の発現が極めて低いことなどを見出した。DAラットの低活性はCYP2D1ではなく、2D2の低発現による可能性が高い。
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