研究課題/領域番号 |
07558245
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸倉 清一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40000806)
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研究分担者 |
白井 昭宏 日本曹達株式会社, 中央研究所, 研究員
坂入 信夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (60153863)
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
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キーワード | バクテリアセルロース / カルボキシメチルセルロース / N-アセチルグルコサミン残基 / 回転通気培養法 / イオン交換多糖 |
研究概要 |
各種のアンモニウム塩をバクテリアセルロース(BC)培養系に添加して静置、回転通気両培養について検討したところ、回転通気培養法が最も適していることが分かった。このアンモニア含有培地中に、アンモニウムイオンを捕捉安定化しやすい高分子有機酸のカルボキシメチルセルロース(CMC)を加えると、N-アセチルグルコサミン(GIcNAc)残基導入量は極度に低下する現象を観察したことに、以前のGIcNAc異性体添加実験の結果を組み合わせて、バクテリア中にアセタミド基転移に関連する特異酵素系のあることを証明できた。この発見は、今後遺伝子操作等で高効率のBC生産菌を作り出す際の重要な指標となると考えられる。まら、これらの酵素系が抽出出来れば、セルロースオリゴマーを部分的にGIcNAc化させる手法としての将来性も考えられる。また通気のみの培養では、気泡の均一分散が出来ないため分子組成が不均一になる傾向が観察され、回転機能は気泡均一分散化の役割もあることが示された。培養法と分子量の関係では回転通気培養法での回転数が、BCの分子量に大きく影響していること、培養系中へアンモニウムイオンを安定して供給するためには、酵素の供給も兼ねて炭酸ガスの導入が不可欠であることを確認した。また、蛍光分光光度計を使った研究から、回転通気培養で生産されたBCは概ね分子配向性と透明性の高いことも分かった。BC生産時のコスト削減では、グルコースとアンモニウムイオンを培地中に加えるだけでGIcNAc残基を含む分子配向性と透明度の高いセルロースが出来ることでカバー出来そうである。また、食品添加多糖として一般的なCMCを培地にすることにより、鉛イオンとウラニウムイオンに特異吸着能を持つ新規多糖の生産が確認された。これで食品廃棄物を培地にしたイオン交換多糖の生産が可能になったことになる。現在BCへの蛍光標識法についても研究中である。
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