研究課題/領域番号 |
07558245
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸倉 清一 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (40000806)
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研究分担者 |
中村 忠夫 日本曹達株式会社, 機能製品本部, 研究部長
坂入 信夫 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助教授 (60153863)
西 則雄 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | バクテリア セルロース / 酢酸菌 / N-アセチルグルコサミン / 培養 / 新規多糖類 / 直接繊維化 / 通気回転培養装置 / 皿培養装置 |
研究概要 |
バクテリアセルロース分子中にN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)残基を導入した新規多糖を生産させるため酢酸菌をGlcNAcを含む培地中で繰り返し培養して、GlcNAcに順化させた。この順化酢酸菌をGlcNAcとグルコース(Glc)とを炭素源とする培地中で培養するとGlcNAc残基をを分子中に含んだ新規セルロースが生産された。この新規多糖は、X-線回折からGlcNAc残基の導入で面配向性が高くなっていた。さらに、GlcNAcの類似アミノ糖であるグルコサミン(GlcN)、C-2位アミノ基が逆配置のマンノサミン(ManN)及びC-4位水酸基が逆配置のガラクトサミン(GalN)をGlcNAcの代わりに培地に加えてやると、GlcとGalN添加と同様に、GlcNAc残基をもつセルロース様多糖が生産された。しかし、ManNではアミノ糖の導入は出来なかった。また、炭素源がGlcNAcのみの培地を使ってもアミノ糖残基導入率は高々4モル%であり、残り96%はGlcでったことから、酢酸禁中に脱アセチル化酵素、脱アミノ化酵素及びC-4位水酸基エピメラーゼの存在が示唆された。そこで、脱アミノ化酵素のみに注目して培地中に炭素源のGlcとアンモニウム塩を加えて前記順化酢酸菌を培養したところ、2-4モル%程度のアミノ糖残基導入率が得られた。そして、各種アンモニウム塩中でも塩化アンモンが最も高い導入率を示した。ただし、この際培養法を静置法では殆どアミノ糖残基の導入は見られなかったが、新しく制作した通気回転培養装置を使うと、アミノ糖の導入が出来る上多糖の収量も高くなることも見出した。 さらにこれら新規多糖の機能性を高める方法として、皿培養法を開発し培地からこれらの新規多糖を直接糸状体として取り出す技術を確立した。得られた繊維の乾強度は、コットンのそれより高いものであった。
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