研究課題/領域番号 |
07558248
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 光璋 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40004618)
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研究分担者 |
安倍 正人 岩手大学, 工学部, 教授 (00159443)
田頭 功 東北工業大学, 工学部, 教授 (40085379)
仁田 新一 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90101138)
江刺 正喜 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20108468)
中尾 光之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20172265)
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キーワード | プログラマブル / 長期生体情報記録システム / 意識状態 / 自律神経系活動 / 大容量メモリ / インターフェース / 睡眠時無呼吸症候群 |
研究概要 |
心臓血管系信号ゆらぎの特性を知り、疾患発生の予知に結び付けるためには長時間の安定した計測・記録が行えるシステムが必要である。今年度は、前年度までに作製したシステム(一号機)を用いて、計測実験を行いシステムの動作を確かめるとともに、その結果を踏まえて新型システムを作製した(2号機)。また、システムの臨床応用のための測定実験を行った。以下に本年度の成果をまとめる。(1)1号機を用いて自由行動下での測定を行い、睡眠や運動を含む長期計測が32時間以上にわたって可能であることを確かめた。被験者の装着感も良好であった。(2)(1)で採取されたデータは意識水準を判定するのに十分耐えるものであった。これにより、覚醒や睡眠状態における心拍ゆらぎのダイナミクスの解析を行った。(3)システムの臨床応用の試みとして、1号機を睡眠時無呼吸症候群の患者に装着してもらい自由行動下で生体信号を測定した。この場合、呼吸リズムのモニタが必要であることから加速度センサの代わりにコンデンサマイクを取り付け気道音を測定した。これにより、患者に対しても無理なく長時間計測が可能であることが確かめられた。(4)1号機の使用経験を踏まえて、2号機の製作を行った。そのサイズは1号機と同程度とし、データインタフェースを強化すると共に、システムの内部状態のモニタのためのインディケータを付加した。さらに、多様な生体信号に対応するために入力部を汎用に耐えるようにパラメータを設計した。(5)解析のための方法論に関しては、心臓血管系の状態依存性を変数間のインパルス応答関数の構造変化として明らかにし、状態依存性解析のための方法論を新たに確立した。また、心臓血管系のダイナミクスから自律神経系が有する制御機構を推定する枠組みを提案した。 今年度行った睡眠時無呼吸症候群の患者への適用はシステムの広範な臨床応用の可能性を示唆するものであり、その有用性が証明された。
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