研究分担者 |
堀中 博道 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (60137239)
大家 重明 摂南大学, 工学部, 助教授 (20176853)
里村 裕 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (00162511)
大沢 昌彦 住友電工, バイオメディカル研究部, 主査
稲邑 清也 大阪大学, 医学部, 教授 (90203207)
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研究概要 |
本基盤研究では,長寿健康社会を支える一つの強力な道具として,新しい無侵襲な分光的計測法を利用し,高濃度散乱媒質中の光伝搬の解析を通し,拡散性散乱媒質の透視実現の可能性を拓くこと,ならびに光による人体透視装置にいたる基礎技術を開発し,これらに基づいて臨床応用を目指した実験装置開発を,目的として行われた。すなわち,リアルタイムで生体内の機能情報や構造的情報が可視化できれば,臨床応用が期待できる光CT装置となり,透過光が人体への侵襲性が低いため,患者に取っては非常に有用なディジタル医用画像発生機器となり得る。 以上の観点から,被検体としては厚みが薄いが手掌を用いてリアルタイムに透過光像を得,基礎となる解析を行った。また,ファントムを用いた断層像の取得した。従来のX線CTでは要求スライスの枚数分,被検体のまわりをX線管がスキャンしていたのに対し,この取得した断層像は要求スライス厚に無関係に1回のスキャンで得られた。また,本方法ではX線を用いて透視像を得る方法と異なり,血管情報や軟部組織をもリアルタイムで得た平面透視像から抽出できた。さらに,分岐を持つファントムを用いた実験系でも断層像を得た。結果から,ファントムの下部から上部の任意の高さでの断層像が得られることを示した。さらに,偏波保存成分のみを検出することによって,散乱媒質透過光から準直進光を抽出し,高い空間分解能およびコントラストを持つ再構成画像を得た。
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