研究課題/領域番号 |
07558255
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
仁木 登 徳島大学, 工学部, 助教授 (80116847)
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研究分担者 |
佐藤 均 東芝, 医用機器技術研究所, 主査
大松 広伸 国立がんセンター, 東呼吸器内科, 医員
森山 紀之 国立がんセンター, 東放射線部, 部長
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キーワード | ヘリカルCT / 肺がん / 集団検診 / 計算機診断 / 検診実験 |
研究概要 |
肺がんの死亡数は近年増加し、男性において胃がんの死亡数を越えて第一位となってきている。これを克服するためには初期段階の微小がんを発見できる集団検診システムの開発が強く求められている。本研究では、安全性の高い撮影条件で微小がんを3次元画像化できるヘリカルCTを用い、これで得た3次元画像を計算機支援により専門医が効率的に高度に検診できる肺がん集団検診システムを構築するものである。この実現により、現行の胸部X線写真検診より格段の性能で初期段階の微小がんを早期に発見することを可能にするものである。そこで、以下の4課題を挙げて3年間で実施するものである。これらは、肺がん診断法の確立、肺がん候補検出アルゴリズムの作成、ユーザインターフェースの作成、フィールドテストの実施および実用化の検討である。平成7年度は、重点的に1および2の課題について実施した。1については研究分担者によって"東京から肺がんをなくす会"の500人の症例に対して肺がん検診実験を実施した。これらをデータベース化して、専門医の検診結果のばらつきの補正、3次元画像をどのように読み取りすれば良性・悪性の判定が可能であるか、検診アルゴリズムをどのように作成すれば高い検診精度を得るかを検討した。2については研究代表者がヘリカルCT画像から肺がん候補を検出するアルゴリズムを作成した。これは画像処理技術により臓器抽出・構造解析を行って臓器情報を定量化し、専門医の知識による診断規則を用いて肺がん候補を検出するものである。これを500人の検診データに対して検証して専門医に検診結果とほぼ同等の非常に高い検診精度を示した。これらの研究成果をIEEE国際会議、CAR国際会議などで発表して非常に高い関心と評価を得た。これらの成果から、研究グループは初期段階の肺がんの早期発見を可能にする集団検診システムの開発に強い自信を得て取り組んでいるものである。
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