研究分担者 |
緒方 公介 福岡大学, 医学部, 教授 (40136437)
三浦 裕正 九州大学, 医学部, 講師 (10239189)
日垣 秀彦 九州大学, 工学部, 助手 (00238263)
大月 伸男 九州大学, 工学部, 助教授 (60127991)
広川 俊二 九州大学, 工学部, 教授 (80150374)
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研究概要 |
当初計画にほぼ沿った研究を実施し,まず,生体膝の非接触計測や非侵襲MRI計測により3次元曲面形状データを収集し,曲面解析に基づき大腿・脛骨の形状設計・試作を行いシミュレータにより評価するシステムを構築した.このシステムを利用して,表面形状のリモデリング最適設計案を提案し摩擦と変形特性における優位性を提示した.また,シミュレータにより現用の臨床用各種人工関節と生体膝における接触面圧の相違を示し,現存の形状設計の諸問題点を指摘した.膝蓋部については,計測システムを構築中である. 臨床現象との関連については,膝関節シネラディオグラフィー法を適用し,歩行時の各部品間の接触部の相対関係を観測し,生体内での人工関節の実際の運動状態についても評価を可能にしつつある.さらに,屈伸時における大腿・脛骨部品間の転がり滑り運動の評価を設計プロセスにフィードバックすることにより最適設計を進めている. 人工軟骨に関しては,脛骨部品用として,含水率の異なるPVAハイドロゲル製人工軟骨を試作し,シミュレータや摩擦試験によりトライボ性能を評価した.歩行条件では,潤滑液中に蛋白成分が存在すると,高含水PVAでは摩擦状態が非常に改善することが判明した.また,AFM(原子間力顕微鏡)により,摩擦面上における蛋白成分の吸着状態を観測することにより,各種材料のトライボ特性間の相違を評価することが出来た. また,新規購入したオートクレーブによりPVAハイドロゲル素材の緻密化やセルインジェクターを利用した含水構造の修正を検討しつつある.また,高速現象の計測が可能なメモリーハイコーダを利用して衝撃荷重下の人工関節の応答を調べつつあり,今後は広範な条件下での評価研究を進める予定である.
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