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1995 年度 実績報告書

オートクリン型人工臓器開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07558259
研究種目

試験研究(B)

研究機関横浜市立大学

研究代表者

野一色 泰晴  横浜市立大学, 医学部, 講師 (60033263)

研究分担者 宮田 暉夫  高研バイオサイエンス, 研究所, 所長
孟 真  横浜市立大学, 医学部, 助手 (70264645)
キーワード人工臓器 / オートクリン人工臓器 / 人工血管 / 骨髄移植 / 自家組織移植 / 内皮細胞 / 血管新生因子 / bFGF
研究概要

本研究の目的は、自分自身で細胞成長因子を出し、その刺激を受けて新しい器官を創成する「オートクリン型人工臓器」を検討するための基礎的資料を得ることにある。我々は人工臓器用素材として用いた合成高分子製の枠組に細胞や組織の細切片を移植し、その細胞がサイトカインや成長因子を産生したり、移植細胞が目的とする臓器を形成するために合目的的に細胞分化をしてゆく、いわゆる自立性の高い「オートクリン型人工臓器」という概念を提唱した。この成果をもとに、この度の研究では実際にそのような細胞による活動が人工臓器の合成高分子素材上で生じうるか否かを検討した。研究の材料としては、生物学的にみて最も活性度の低いテフロンを選び、それにより多孔質の管を作成し、そこに骨髄組織の自家移植を行った。このようにして作成した管を人工血管として成犬腹部大動脈に植え込み、3ケ月に至るまでの経過を観察した。その結果、骨髄細胞はそのテフロンの枠組をマトリックスとして生着し、そこで造血活動を行った。そしてその間、血管新生促進因子を産生し続けて、周囲組織からの毛細血管の新生を誘導し、毛細血管網の豊富な肉芽組織を形成し、一部の毛細血管は人工血管内腔面に到達し、そこにコロニーを形成した肉芽細胞数を増加させ、結果的に人工血管内腔面の迅速な内皮細胞被膜に貢献することが明らかとなった。この過程において血管新生促進因子の一つである塩基性Fibro blast growth factor(eFGF)の移植骨髄細胞の産生の検出を試みたところ、多量のbFGFが産生されていることが判明し、移植細胞自身が血管の新生を誘導していた。この事実は我々の目指した「オートクリン型人工臓器」の一つの型を人工血管として示すこととなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Y.Noishiki et al.: "The Vicious Cycle of Non-healing Neointima in Fabric Vascular Prosthese." Artificial Organs. 19. 7-16 (1995)

  • [文献書誌] S.Satoh et al.: "Clinical Use of Low Porosity Wovev Ultrafine Polyester Fiber Grafts." Artificial Organs. 19. 57-63 (1995)

  • [文献書誌] A.Matsumoto et al.: "Sealing of Fabric Vasular Prosthesis with Autologous Adipose Tissue。" Artificial Organs. 19. 51-56 (1995)

  • [文献書誌] Y.Noishiki et al.: "Transplantatin of Autologous Tissue Fragments into a e-PTEF Grafts with Long Fibrils." Artificial Organs. 19. 17-26 (1995)

  • [文献書誌] J.Ninomiya et al.: "Late results of clinical experience with amall caliber biologocal grafts." Artificial Organs. 19. 46-50 (1995)

  • [文献書誌] Y.Noishiki: "Materials in Clinical Applications." P.Vincenzini,Techna Srl,Faenza,8 (1995)

  • [文献書誌] Y.Noishiki: "Materials in Clinical Applications." P.Vincenzini,Techna Srl,Faenza,10 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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