研究課題/領域番号 |
07558287
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
神山 幸吉 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (70135507)
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研究分担者 |
紀本 岳志 (財)海洋化学研究所, 主任研究員
中山 英一郎 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50108982)
本山 秀明 国立極地研究所, 研究系, 助手 (20210099)
島田 亙 国立極地研究所, COE研究員
渡辺 興亜 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (60111861)
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キーワード | 雪氷コア / 自動融解 / フローライン分析 / 硝酸 / H2O2 / 電気伝導度 / pH / 汚染 |
研究概要 |
雪氷コアの掘削に当たって個別的な機器を使用しての解析は国内国外ともに近年めざましく進歩している。機器の小型化に伴って雪氷コア掘削現場での運用も実施されている。我々も現場で運用可能な方法を試験的に試み、過酸化水素・硝酸の分析等を検討した。また本年度は北極氷河上で硝酸の分析を実施した。国外では、グリーンランド・サミット掘削時にヨーロッパ・グループが融解装置を使用し、化学分析装置などと組み合わせた形でのシステム化を進めている。 一方国内では雪氷コアの掘削方法その後の切断方法などについては技術的蓄積があるものの、化学解析を実施する際の融解方法については、個人の注意深い作業に依存する割合が強かった。融解方法を自動化し分析機器に導入することは雪氷コア解析を大きく発展させる。 今年度は融解・分析ラインの検討を行い、試料の融解温度・融解後の保存方法等に考慮した装置を作成した。本システムは自動解析装置としての機能のほか、雪氷コア融解試料を汚染なく採取可能な機能を有するように企画した。汚染を避けるためコア試料に触れる部分は全てシリコン・テフロン製またはテフロンコーティングしたステンレス製の特注部品としたので、重金属元素などの微量成分の分析にも供することが可能である。また試料の融解温度を制御可能とし、特定の化学種の補足率に与える影響を考慮した。 化学成分の分析部にはすでに運用実績のある過酸化水素自動分析装置を組み込み、同時に電気伝導度・硝酸・pHなどの測定も行なえるようにした。また他の大型機器を使用する化学成分分析のための分注機能を敷設した。各種センサーからの試料出力処理、標準試料との切り替えのためにプログラマブルコントローラーを備えた。融解した試料の小量(100μl以内)を用いて迅速(20sec以内)に電気伝導度、pHが測定可能となった。 今後の計画として以下を検討する必要がある。低温実験室内で実際のコア試料で融解実験を行た場合の融解ラインを維持、最適融解条件と融解試料採取速度との関係、試料の分析システムへの導入時の気泡除去装置の運用条件、光度計データを含めたデータ統合化の検討、などである。
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