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1997 年度 実績報告書

環境変異原検出系として有用なDNA修復能不全トランスジェニックメダカの作成

研究課題

研究課題/領域番号 07558288
研究機関東京大学

研究代表者

三谷 啓志  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70181922)

キーワードメダカ / DNA修復 / 紫外線 / 光回復酸素 / 突然変異
研究概要

紫外線は波長によりUVA(320-400nm),UVB(290-320nm),UVC(200-290nm)に分けられ,細胞への影響はそれぞれ異なる.UVBとUVCはDNAに吸収されると,主にシクロブタン型ピリミジン二量体や(6-4)光産物などのDNA損傷を生成する.一方,UVAは酸化ストレスによりDNA損傷の他にも細胞骨格や膜の透過性へ影響をもたらす.そこで,UVA,UVB,UVCが誘発するアポトーシスの違いを,形態変化および線量依存性について比較した.メダカ培養細胞(OCP13)に様々な線量で,UVA,UVB,UVCを照射した.UVB(50-800J/m^2)とUVC(10-30J/m^2)では,照射後4hrで均一に播種した細胞の配置は網目状に変化した.その後細胞と核の萎縮,核小体数の減少,アポ小体の形成などの形態変化が観察された.接着面から剥離した細胞からはDNA断片化が検出され,アポトーシスを起こしていることが明らかになった.一方,UVA(4kJ24kJ/m2)では,細胞と核の萎縮,核小体数の減少は起きたが,アポ小体の形成は観察されず,細胞の配置は均一なままだった.照射により萎縮した核は,UVAやUVCでは,いびつだったのに対し,UVAでは丸かった.UVBとUVCは、細胞にアポトーシスに特徴的なカスパーゼ活性化能が認められたがUVAでは、これが観察されなかった。
紫外線照射直後から4hrまでに光回復処理を行うと,UVBやUVCにより生じた形態変化やアポトーシスは回避されたが,UVAによる形態変化には効果がなかった.これらの結果よりUVAでは、細胞死の引き金となる損傷が、ピリミジン2量体でないばかりでなく、下流の情報伝達系も異なることが考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Uchida,N.: "Photoreativating enzyme for (6-4) photoproducts in the cultured goldfish cell." Photochem.Photobiol.65. 964-968 (1997)

  • [文献書誌] Wang B.: "Apoptosis induction in cultured mouse embryonic mid brain cells." Radiation Research. 147. 304-308 (1997)

  • [文献書誌] 三谷啓志: ""ストレスとホルモン"(ストレスタンパク質)" 学会出版センター(比較内分泌学会編, 26 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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