研究課題/領域番号 |
07558289
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
青山 勲 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (10026239)
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研究分担者 |
羅 栄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (10284093)
岡村 秀雄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90253020)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 有害化学物質 / バイオアッセイ / モニタリング / 微生物 / ミジンコ / レタス / 運動量解析 |
研究概要 |
有害化学物質による環境汚染は生態系と人類の生存に関わる問題として懸念されている。このような化学物質の環境の中での存在を迅速、安易、且つ低コストで検出するシステムが要請されている。本研究は種々の微生物を用いて水中及び、底質中の有害化学物質を検知し、その毒性強度を知ることを目的とする。本研究においてはミジンコ、植物プランクトン、酵母等の微生物とレタス種子を供試生物として用いた場合の毒性エンドポイントとして、増殖速度係数、一定時間後のバイオマスあるいは増殖過程におけるLag Timeの長さを評価した。またミジンコについては通常の24時間死亡率とともに、初期の運動量変化を新しい指標とする毒性評価手法を開発し、その確立を図ることを試みた。このようなバイオアッセイ手法を適用することにより、実環境における有害化学物質のモニタリングシステムの可能性を検討した。研究対象環境は河川、湖沼それらの水と底質、及び産業廃棄物処分場からの浸出水である。新しいバイオアッセイとして開発したミジンコの初期運動量の解析手法は、従来法が24ないし48時間要するに対し、これを3時間にまで大幅に短縮することができた。また化学物質の低濃度域でミジンコを暴露すると、刺激により運動量は増加し、これをTOXI(毒性指標)という概念で評価することにより、高感度で化学物質の存在を検出できることがわかった。流域に農地を有する河川の流下過程や湖沼において採水、採泥し、それらの毒性試験を行ったところ、季節的な毒性強度の変化が見られ、農業活動との関連性が示唆された。また自動車解体産業廃棄物を主とする埋立地の浸出水を用いて毒性試験を行ったところ、原液の3%濃度でミジンコの有害阻害が検出された。微生物より、ミジンコやレタスの高等動植物の方が高い感受性を示した。本研究結果は、環境における有害化学物質をバイオアッセイによってモニタリングする際、感受性の高い生物種を用い、バッテリ-テストを行うことの重要性を示唆している。 本研究の上述の種々のバイオアッセイを利用して、河川水、湖沼水、廃棄物埋立地浸出水を採取し、実環境の試料水についての生態毒性評価を行った。
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