研究課題/領域番号 |
07558291
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
立花 政夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60132734)
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研究分担者 |
川名 明夫 NTT基礎研究所, 物質科学研究部, 主幹研究員
神山 斉己 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (70233963)
臼井 支朗 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40023337)
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キーワード | 網膜 / 並列情報処理 / 神経節細胞 / マルチ電極 |
研究概要 |
中枢神経系における並列的な情報処理過程を研究する上で、多入力-多出力関係を調べることが必要不可欠である。視覚系における初期情報処理に関与している網膜では、2次元的に配列している視細胞群を生物学的に意味のある時空間パターンで光刺激することができる。また、網膜の出力細胞である神経節細胞は、輝度・波長・動き等に選択的に応答するサブタイプに機能分化していることが知られている。本研究の目的は、網膜にパターン光刺激を提示し、神経節細胞群からスパイク発火をマルチ電極で記録する装置を開発し、多入力-多出力関係から並列情報処理過程を解析するシステムを構築することである。 光提示装置として、コンピュータ制御のカラーディスプレイ上に時空間パターンを発生させる装置を作成した。この装置を用いて倒立型顕微鏡のステージ上に置いた網膜にランダムパターン・受容野検索用刺激・運動刺激などを与えることができた。標本として、キンギョ・コイ・アメリカナマズ・カエル・ウサギ等の網膜を試みた。硝子体を機械的に或いは酵素的に除去して神経節細胞の細胞体と記録電極との間隔を20μm以下にすれば、神経節細胞のスパイク発射を記録できることが明らかとなった。現在、64本のIndium Tin Oxide電極に接続した32チャンネル差動増幅器から複数の神経節細胞の光応答を同時記録することが可能である。光応答を多チャンネルレコーダに記録すると共に、差動増幅器のアナログ出力からスパイク発火に対応するディジタル信号を作成するプログラムを開発中である。また、網膜における神経節細胞の空間分布を考慮してマルチ電極の配列を変更することを検討している。
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