研究課題/領域番号 |
07559003
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井野 正三 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70005867)
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研究分担者 |
高見 知秀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40272455)
霜越 文夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手
長谷川 修司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228446)
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キーワード | 励起原子 / 酸素 / 酸化物高温超伝導体 / 薄膜 / 表面 / 超高真空 / 反射高速電子回折 / 全反射角X線分光 |
研究概要 |
平成7年度は、励起原子ビーム源および差動排気チャンバーの作製を行った。作製したビーム源の調整を行うために、まずヘリウムガスを用いてHe^*(2^3S)準安定励起原子ビームを生成してビーム強度の調整を行ったところ、10^<14>atoms s^<-1>sr^<-1>のビーム強度を達成した。次に、ヘリウムと酸素を任意の割合で混合したガズを用いて同様な実験を行い、その混合比と放電条件を調整することにより励起酸素原子(O^<**>)ビームが最も効率よく安定に生成される条件を求めた。その結果、250V,60mAのプラズマ放電によりビームを生成することに成功し、その混合ビームの強度を求めるためにビーム下流にステンレス板を設置してその板に流れる電流を測定したところ、6.2nAであった。このことから生成した混合ビームの強度は6.7×10^<13>atoms s^<-1>sr^<-1>と求められた。このときの装置の圧力条件は、混合ガスの押し圧が60Torr、励起原子生成チャンバーの真空度が2×10^<-3>Torr、そして差動排気チャンバーの真空度が2.5×10^<-6>Torrであり、超高真空チャンバーへの接続が可能な圧力条件であることも確認した。さらに、質量分析器を用いて生成したビームの質量分析を行い、放電の開始前と後で質量数(M/Z)が32の物質と16の物質との成分比を調べた結果、O^<**>ビームが生成されていることも確認した。また、当初の計画ではビーム源の放電電極にモリブデンを用いていたが、これが酸化腐食されるため本研究に用いる電極としては不適切であることがわかった。この問題は電極の材料に白金を用いることにより解決された。
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