研究課題/領域番号 |
07559007
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮越 順二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70121572)
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研究分担者 |
武部 啓 京都大学, 医学研究科, 教授 (10028318)
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
巽 純子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80128222)
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キーワード | 極低周波変動磁場 / 培養細胞 / 細胞増殖 / 遺伝子発現 / シグナル伝達 / 突然変異 |
研究概要 |
微小変動電磁場の生物影響を検索するための装置の設計に沿って、磁場曝露空間が均一な密度となるようにヘルムホルツコイルを作製、組み立てを完了し、培養器内に設置した。作製したCO2培養装置の動作チェックを行った後、完成した磁場曝露装置を作動し、細胞培養を開始した。その結果、磁場曝露中、安定した細胞培養が可能なことを確認した。次に、超高密度磁場曝露(400mT)で発見した遺伝子発現の活性化について、微小電磁場曝露においても同様の効果が観察されるかどうかを検討した。具体的には、ラット褐色細胞腫由来のPC12細胞にヒトvasoactive intestinal peptide遺伝子のプロモーターにベータガラクトシダーゼ遺伝子を結合して得たキメラ遺伝子を導入した形質転換細胞(PCVG)を用いて、微小電磁場(5mT)によるベータガラクトシダーゼ遺伝子の発現への影響を検討した結果、400mTで観察された遺伝子発現増強効果は低密度の微小磁場曝露では有意に見られなかった。一方、国外で発表されている比較的低密度磁場曝露によるがん遺伝子発現への影響について、作製した本装置を用いて検討した。細胞はチャイニーズハムスターのCHO細胞を用いた。まず、5mTの長時間曝露による細胞増殖に対する影響については、対照と比較して有意な差は得られなかった。次に、同じ密度の磁場曝露によるc-myがん遺伝子の発現についてノーザンブロットで検討した。結果は、対照と比較して有意な差は得られなかった。これらの結果から、5mTの磁場密度における曝露は、細胞の遺伝子発現に大きな影響を及ぼさないであろうと考えられる。
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