研究課題
本研究は、光検出器としてのCCD(電荷結合素子)の性能をその理論限界にまで高め、高感度、低雑音、大規模CCDを製作するための技術的開発要素について、試作に基づく具体的な開発研究を行い、天体観測の効率を大幅に向上させる道を開くことをその目的としている。平成8年度は平成7年度の試作研究の成果に基づき、1)薄膜化・アキュミュレーション法の改良、2)反射防止膜の付加法、3)CCD素子の薄膜化、4)大型化への基礎研究を行い、改良型CCD素子試作を村松を中心に行い、試作した素子を国立天文台で測定評価するというサイクルを、何度か行った。その結果、極めて紫外線感度の良好な薄膜化素子の製作法の基礎が確立し、素過程の加工法についてはほぼ見通しが得られるところまで近づいた。本研究の到達目標として揚げたCCD素子の仕様は、日本の8mすばる望遠鏡をはじめとする大型光学赤外線望遠鏡の光学観測装置にほぼ共通なものであり、海外でも同様な試みが始められた。ハワイ大学に留学していた宮崎が、海外で試作されたいくつかのCCDについても、比較のための測定評価を行ったところ、本研究で試作されたCCDの性能が海外で試作されたものに比べても遜色は無く、むしろ特に紫外感度においては抜きんでていることなどが示された。
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