研究課題
試験研究(B)
本研究では、患者にとって肉体的負担の大きい外科手術を微小メカトロニクス技術を応用し、従来のような開頭や開腹という侵襲を加えずに可能な限り低侵襲で行う外科治療支援システムの開発を行う。具体的には、低侵襲治療システムとして、以下の3つの要素について順次行う。まず(1)患者患部の術前術中の医用画像の情報処理(2)実際の外科的治療を行う微小メカトロニクスシステム(3)1、2の統合システムの開発を行うが、本年度は以上の(1)(2)について基礎的なシステム設計および開発を行なった。「方法」(1)まず、術前に撮影された画像と術中に得られる画像の情報の位置的統合を行なった。術前の画像としてMRI、術中画像は超音波画像を用いた。これらの画像の位置的統合の実現により、術中に得られた画像が、術前の手術計画においてはどこに位置するかを容易に知ることができ、目標点の位置への最適なアプローチが実現され、極めて低侵襲な手術が実現される。(2)体表の数ヵ所に穴を開け、そこから術者の手となる手術器具と目となる内視鏡を入れ、その内視鏡下において手術を行う内視鏡下手術に着目する。これら微小手術機器は術者が直接操作するものであるため、これをメカトロニクス技術を応用して微小かつ精密に手術操作可能なシステムを開発するが、その基本設計として特に安全性の面に重点を置き設計を行なった。内視鏡・電気メス等を搭載可能な鉗子類を把持・駆動し治療支援を行う2自由度を持つマニピュレータを試作した。「結果」(1)位置的統合手段として三次元位置計測装置による手法と生体情報を用いたソフトウェア的な手法を試みた結果、結果両者を併用して使用することにより精度の向上が図れるものと考えらえる。(2)治療に使用するマニピュレータとしてその機構的安全性は解決された。今後は鉗子等の新たな機能の付加及び(1)との連携を図る必要がある。
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