研究課題/領域番号 |
07559017
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土肥 健純 東京大学, 工学系研究科, 教授 (40130299)
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研究分担者 |
正宗 賢 東京大学, 工学系研究科, 助手 (00280933)
鈴木 真 東京大学, 工学系研究科, 講師 (50260500)
松本 博志 東京大学, 工学系研究科, 教授 (40010277)
橋本 大定 東京警察病院, 外科, 外科部長(研究職)
高倉 公朋 東京女子医科大学, 脳神経外科, 教授 (90109984)
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キーワード | 低侵襲手術 / 医療ロボット / メカトロニクス / 内視鏡 / マニピュレータ |
研究概要 |
「目的」本研究では、患者にとって肉体的負担の大きい外科手術を微小メカトロニクス技術を応用し、従来のような開頭や開腹という侵襲を加えずに、可能な限り低侵襲で行う外科治療支援システムの開発を行う。これには医師の目と手の能力を越える新しい目と手を、工学の最先端技術、特に微小メカトロニクス技術や三次元医用画像技術により実現ことが目的である。本年度は最終年度として、(1)患者患部の術前術中の医用画像の情報処理(2)実際の外科的治療を行う微小メカトロニクスシステム、以上2つの総合的な研究開発を行なった。 「方法・結果」昨年度までに開発した5節リンクによる内視鏡駆動マニピュレータを、動物実験など臨床に近い形で試用し、さらなる改良を行った。また、体内において鉗子の前後・回転運動を機械的に行う鉗子マニピュレータの試作開発も行った。一方、術前に得られる三次元画像と内視鏡画像の位置・姿勢を赤外光式三次元位置計測装置による剛体座標変換によって対応づけるアルゴリズムの開発を行った。これにより、術者の新しい目となる内視鏡画像・新しい手となる鉗子等治療器具類の駆動部の一連の基礎的な装置が開発された。 「結論」本研究で開発したメカトロニクスシステムは、医療に用いるために、滅菌・洗浄の問題に特に考慮した。このため機構的な安全性はもとより医学的な安全性が実現されたといえる。特に5節リンク機構による手術支援マニピュレータは、動物実験を重ね、臨床応用が可能であることが確認され、今後の発展が期待される。また術前三次元医用画像と内視鏡との座標系統合アルゴリズムを開発したが、上記のマニピュレータを連動することにより、術者はより安全・確実・迅速に低侵襲手術を行うことが可能である。
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