研究課題
基盤研究(C)
1.プラトンの初期対話篇群に溯り、ソクラテスが「とは何か」を問い、その解答を吟味論駮する現場での、とりあげられる経験、実例、反例の役割が、プラトン哲学に於ける感覚の役割に受けつがれて行く経過を明かにした。2.『国家篇』のディアレクティケ-の過程で、プラトンが感覚界を切り捨て叡知界に飛躍するとの通説に対するBedu-Addoの反論の長所と短所の検証を努めた。3.『メノン』に於ける所謂「想起の実験」の目的について、定説とされてVlastosのアプリオリな推理能力実証説の問題点を洗い出した。