『祖書綱要』広本全二十三巻に関し、代表者は、その活字化・公開を前提にした基礎作業を行った。これまでの研究成果を踏まえ、研究を継続し、殊に本年度は『祖書綱要』第五巻より講読を開始し、適宜、新収の資料との比較研究、またその周辺資料をも参照し、註釈を充実化させる作業を行った。 研究実績 1)出来うる限りの資料(版本・写本)を蒐集するが、その際必要に応じて諸大学図書館および国会図書館等に、調査のため出張した。また諸本を対校してヴェリアントを抽出し、テクスト・クリティークを行った。 2)活字化することを前提に、原漢文の本書全文について訓読して書下し、意味の不明瞭な語句・字句に関して適宜補註を試みた。 3)引用された祖書は『昭和定本日蓮聖人遺文』を以てその出所等を確認し、異本文のヴァリアントにも留意し、それを指摘した。 4)また現代的要請に配慮し、コンピューターを利用してデータベース化を計り、『祖書綱要』中に引用される日蓮遺文の索引化、または項目化する作業では、研究補助を依頼し、作業を遂行した。
|