本研究は中国仏教における禅浄双修思想の総合的研究を目的とする。 初めに中国浄土教文献と禅宗文献から禅浄双修思想の関係資料すべてを調査収集し、整理考証する。それによって、初めて禅浄双修思想の基礎的資料は提示される。 次いで、中国仏教に限って禅浄双修思想が何ゆえ成立したか、その先行思想は何か、具体的な思想家と思想形態並びに論理的根拠は何かなどの思想研究を解明する。 その結果、資料研究では、関係諸師約150名を調査・整理し考証した。それによって、思想研究の成果もすでに学会で一部発表し、あるいは発表予定である(研究発表参照)。概要は以下のとおりである。 1.資料研究;禅浄双修思想関係の諸師約150名の調査考証 (1)浄土思想家に認められる禅思想関係資料の調査考証 (2)禅思想家に認められる浄土思想関係資料の調査考証 (3)その他の禅浄双修思想資料の調査考証 2.思想研究; (1)問題の所在と従来の研究 (2)禅浄双修思想の概念と評価 (3)禅浄双修思想の先行思想 (4)禅浄双修思想の諸形態と論理的構造 (1)浄土教の変容(唯心浄土思想) (2)理事無礙(天台・華厳)の転用 (3)禅宗の変容(公案禅) (4)禅浄双修思想の確立 (5)その他「平生習禅、臨終往生」(往生伝、清規)など。
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