• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

古代キリスト教思想の担い手としての知者の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610030
研究種目

一般研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

水垣 渉  京都大学, 文学部, 教授 (40086294)

キーワード知者 / 知恵 / ラクタンティウス / ストア思想 / アレクサンドリアのクレメンス
研究概要

1.ラクタンティウスの『神の怒りについて』と『神の教え』における彼の知者理解を検討した。
2.そこでは、知恵と知識との関係が重要であり、両者の関係は、ユダヤ・キリスト教の背景、ギリシヤ思想、とくにストア思想、ローマ帝国における政治的諸関係を反映する諸理念等の交錯によって複雑であることが認められる。
3.ラクタンティウスは「キリスト教のキケロ」と称せられるように、ローマ的・ストア的知者に傾斜しており、ユダヤ的キリスト教的知者(とくにパウロ)のもの特質を十分継承していない。古代キリスト教思想の形成者及び担い手としては、クレメンス、また後のアウグスティヌスほどの知者としての力量を有していない。
4.個人的知的能力による部分は別として、ほぼクレメンスに匹敵する思想史的状況における位置づけをもつにもかかわらず、ラクタンティウスがキリスト教的知者として中途半端にとどまった理由として、一つには彼の政治的態度が考えられてよい。
5.また、ラクタンティウスの知的生成に、個人的な信仰的経験が乏しいことが注意される。

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi