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1996 年度 実績報告書

縁起絵巻の宗教的機能-室町時代を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 07610052
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

並木 誠士  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50211446)

キーワード縁起 / 絵巻物 / 信貴山縁起絵巻 / 釈迦堂縁起絵巻 / 狩野元信 / 絵解き
研究概要

今年度は、個別的に縁起絵巻を検討してゆくことにつとめた。まず、対象とする室町時代を検討するための前段階として、平安時代の後期に制作された《信貴山縁起絵巻》を検討した。この《信貴山縁起絵巻》には、従来、信貴山・朝護孫子寺の縁起と考える立場と説話文学を絵画化した娯楽性の高いものと捉える立場とのふたつの立場があるため、縁起絵巻の宗教的機能を考えるうえで、重要な位置を占める作品である。今回は、この《信貴山縁起絵巻》の画面と詞書を詳細に検討することにより、第一巻が命蓮個人の法力を、第二巻が寺と本尊である毘沙門天の霊験を、第三巻が南都を優越を、というように重層的な構造をとりながら、全巻を通して、〈山を下りなり命蓮〉というイメージを強調することにより、寺の縁起としての機能を果たしている、という結論を得た。(「縁起としての信貴山縁起」『人文(京都工芸繊維大学工芸学部紀要)』45号掲載予定)。以上の検討をふまえたうえで、室町時代に制作された《清水寺縁起絵巻》(土佐光信筆)、《真如堂縁起絵巻》(掃部助久国筆)、《釈迦堂縁起絵巻》(狩野元信筆)を考察した。このなかで、《釈迦堂縁起絵巻》は、釈迦堂の霊験譚が絵画化されていない点、仏伝が独立して絵画化されている点、画面構成から絵解き的要素が指摘できる点など、同時代の他の縁起絵巻にはみられない特色をしめしていることがわかった。この点に関しては、絵巻制作当時の釈迦堂に対する信仰のあり方を史料面から検討した結果と合わせて「縁起としての《釈迦堂縁起》と題して研究発表を予定している(1997年5月31日美学会西部会)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 並木誠士: "縁起としての信貴山縁起" 人文(京都工芸繊維大学工芸学部研究報告). 45(未定). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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