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1996 年度 実績報告書

順応水準仮設のP300による検証

研究課題

研究課題/領域番号 07610077
研究機関朝日大学

研究代表者

投石 保広  朝日大学, 教職課程センター, 助教授 (00093443)

研究分担者 古賀 良彦  杏林大学, 医学部, 教授 (70104643)
キーワードP300 / 事象関連電位 / 順応水準 / working-memory / 多肢選択反応時間 / ERP
研究概要

本研究では、P300に関する認知文脈の更新仮説と順応水準仮説との統合を試みた。(1)認知文脈の更新仮説では、内的なモデルが、どのような仕組みで維持されているのか、さらには、それがどのような場合に更新されていくのかという点については、P300の測定によって裏付けられている。しかし、その認知文脈なるものがどのような機能を持っているのか、具体的にどのようなものであるのかは明らかにはされていない。反対に、(2)順応水準仮説は、知覚に関する機能的な理論であり、順応水準がどのようなものであるのかは具体的な指摘がなされている。ところが、順応水準といわれる内的なモデルが、どのような仕組、あるいは心理的な動きで維持されているのか、更新されていくのかに関しては、今までまったく考えられていなかった。
上記のように両者を合わせると、両者の不得意な面を互いに補うことができ、心理機能に対して総合的な理解が可能になることが本研究で明らかとなった。また、これら二者に加えて、処理資源仮説/作動記憶仮説を導入し、認知文脈/順応水準が、作動記憶内に形成され、維持されていることを裏付ける実験的証拠を、P300の測定によって明らかにした。人が何らかの課題をしている場合には、その課題の対象となっている次元(例えば、視覚刺激の大小などの順序関係)上に、順応水準/認知モデルを、反応の効率化のために形成しており、それは、入力刺激との一致度に反比例する形で、更新されながら、作動記憶上に維持され続けるというのが、本研究の理論的な結論である。
また、このようなP300の性質をも考慮に入れて、日本脳波・筋電図学会の正常値に関する委員会から諮問を受けたP300の標準的な測定法についてのガイドラインを答申することができた。それは、平成9年度中に、日本脳波・筋電図学会の学会誌上で発表される予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Nageishi,Y.: "P300 : context updating and working memory." In C.Ogura,Y.Koga,and M.Shimokochi (Eds.), Recent advance in event-related brain potentials research,. 52-59 (1996)

  • [文献書誌] Nittono,H.: "Effects of strategy on P300 amplitudes in a multiple-choice reaction time task." In C.Ogura,Y.Koga,and M.Shimokochi (Eds.), Recent advance in event-related brain potentials research,. 168-172 (1996)

  • [文献書誌] Fujihara,N.: "Effect of word typicality on N400." In C.Ogura,Y.Koga,and M.Shimokochi (Eds.), Recent advance in event-related brain potentials research,. 201-205 (1996)

  • [文献書誌] 鶴 紀子(共著): "事象関連電位-事象関連電位と神経情報科学の発展-" 新興医学出版社(印刷中), 500

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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