本研究の一般的目的は、問題解決場面に置かれた動物において、外顕的な組織的探索(試行錯誤)が内潜的なそれへと発展する過程を解明することである。平成7年度の計画は、弁別学習訓練のためのレバ-押し反応のシェイピングおよび弁別学習プロパ-における、組織的探索行動パターンを詳細に観察・記述し分類を試みることであった。 1.方法:(1)被験体:アルビノラット おす50匹を使用した。 (2)実験装置:自己ペース弁別学習装置1台、パーソナル・コンピュータ1台、ビデオテープレコーダ及びビデオカメラ一式を使用した。 手続き:a.レバ-押し反応のシェイピング 給餌レバ-(左右各一個)と試行(自己ペース)開始レバ-について、この順序で行なった。報酬は手動のスイッチで給餌した。b.弁別学習の訓練 明暗弁別の学習を、1日60試行ずつ、正反応率90%の学習規準到達まで継続した。c.実験進行のコントロール及びデータの採取コンピュータによった。d.録画 反応シェイピング中及び弁別学習中の動物の行動をビデオカメラで録画した。 2.データ分析:弁別学習自体は通常どおり進行したが、本研究の目的にとって重要な録画データの再生・一次分析(記述・分類)が未完了であるので、早急にこれを完了したのち、更に二次分析として組織的探索行動パターンを多変量解析にかけ、その構造を明らかにするとともに、その発展過程と弁別学習進行過程との関連性を調べる予定である。
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