• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

心的計算過程-認知空間における記号計算とパターン変換-

研究課題

研究課題/領域番号 07610090
研究種目

一般研究(C)

研究機関上智大学

研究代表者

西川 泰夫  上智大学, 文学部, 教授 (70053642)

キーワード心的計算過程 / 心の計算論・記号論 / 偶奇性効果 / 反応時間分析 / 心的数表 / 記憶活性化モデル / 心理学史 / 科学基礎論・認識論
研究概要

本研究は、心の計算論・記号論とよぶパラダイムのもとで心の基本的な機能の一つである心的計算過程の仕組みを検討することを目的とする。あわせて、心理学におけるこのパラダイム自体の占める位置並びにその基本構造に関する論理的検討を、心理学史や科学基礎論の面から行なう。前者の目的を遂行するために、以下のような実験を行なった。課題は、一桁の数字の間の加算と乗算の計算問題である。そのさいの心的計算過程の仕組みを明らかにするために、数字の特性である偶数、奇数に着目し分析を加えた。なお、分析指標は、パーソナル・コンピュータによって行なった。この結果次ぎのようなことが明らかになった。まず、加算課題の結果、偶奇性効果が認められた。つまり、偶数+偶数(計算結果は偶数)、奇数+奇数(結果は偶数)、偶数+奇数(結果は奇数)課題の順に反応時間が遅くなることが判明した。従来こうした偶奇性効果は、検証課題においてみられるという報告しかないが、本研究は産出課題でこの効果を検出した。なお、検証課題とは、あらかじめ課題とその結果を対提示しその組み合わせの正否を問う課題であるのに対し、産出課題は、実際に行なった計算結果を答える課題である。また、本研究の結果、この効果は加算結果が10以上になる場合に顕著に見られること、相対的に反応時間の遅い被験者に顕著であることが判明した。一方、乗算課題においては、明確な偶奇性効果を認めることはできなかった。数の心的表象特性が心的計算を左右することが判明したがなお検討を要する。検証モデルとして、心内の心的数表とそれへのアクセスのための活性化モデルを想定することができるがあらためて検討を加える。
後者の目的を遂行するために、そもそもの心理学史をはじめ科学基礎論や認識論の歴史的背景に求め考察した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 西川泰夫: "3つの記号レベルにおける心的計算-心の科学の論理地図,'95-" 科学基礎論研究. 84号. 49-54 (1995)

  • [文献書誌] 西川泰夫: "「心理学」、学名の由来と語源をめぐって-サイコロジーは心理学か-" 基礎心理学研究. 14. 9-21 (1995)

  • [文献書誌] 西川泰夫: "認知空間の数理構造-点線面の認知をもとに-" 記号とパターンの統合発表抄録集-知能の背景にある記号パターンの関係と理論-(電子情報通信学会主催). 83- (1995)

  • [文献書誌] 西川泰夫: "心のパラダイム-コンピュータ,脳,非線形力学系モデルのもとで-" 上智大学心理学年報. 20. (1996)

  • [文献書誌] Y. N. SHIKAWA & M. SUGIHARA: "An ODD-EVAN EFFECT WHEN ADDING ONE-DIGIT NUMBERS" PROCEEDINGS OF 26TH INTERNAT 10 NAL CONGRESS OF PSYCHOLOGY, MONTREAL, CANADA. (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi