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1995 年度 実績報告書

触覚における微細表面粗さ弁別閾の精密測定及び神経計算モデルの作成

研究課題

研究課題/領域番号 07610093
研究種目

一般研究(C)

研究機関静岡理工科大学

研究代表者

宮岡 徹  静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (00111815)

キーワード触覚 / 心理物理学 / 微細表面粗さ認識 / 弁別閾 / 絶対閾 / 皮膚機械受容単位 / 神経計算
研究概要

平成7年度には実験装置を2種類作成し,絶対閾・弁別閾測定実験を行なった.
(1)第1実験装置は刺激と刺激呈示部から構成されていた.刺激にはエッチング加工したステンレス片を採用した.まず,ステンレス片の表面を凹凸0.1μm以下となるように研磨した.次のこの表面に,高さ0.5〜25μmの畝を畝断面が矩形波状になるようにエッチングにより作り,刺激として用いた.刺激呈示部は中空構造のアルミ製装置で,恒温水循環装置に接続されて5〜45℃の範囲の任意の温度に設定可能であった.実験時には,この刺激呈示部上にステンレス片刺激をセットし,ステンレス片の温度を調節した.ヒトの触覚感度は環境温度の影響を受け易いので,このようなシステムが必要であった.第1実験装置を用いて,絶対閾・弁別閾を測定する心理物理実験を行なった.その結果,弁別閾値は極めて正確に測定できたが,絶対閾は予測より小さく測定はあまり成功しなかった.精密研磨紙を用いた微細表面粗さ弁別実験結果に比較すると,本実験で得られた弁別閾はより小さく,精密がより高いことを示すものであった.これは,皮膚機械受容単位の神経発射特性や中枢における神経計算を考慮すると極めて妥当な実験結果であり,また宮岡の提唱した「振幅情報仮説」を強く支持する結果でもあった.
(2)第1実験装置の欠点を補い,またより広範囲の測定を行なう目的で,第2実験装置を作成した.第2実験装置は,2個のステンレス片の段差を0〜30μmの範囲でコンピュータ制御する仕組みとなっていた.ステンレス片の温度はペルチェ素子により0〜50℃の範囲で変更可能であった.第2実験装置での実験は現在実施中である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 宮岡 徹: "触覚のモジュール機構" 静岡理工科大学紀要. 3. 85-98 (1995)

  • [文献書誌] 宮岡 徹: "ヒトの触感覚情報処理" トライボロジスト. 40. 500-505 (1995)

  • [文献書誌] 宮岡 徹,間野忠明: "触覚における微細表面粗さ弁別の感覚情報処理機構" 名大環境医学研究所年報. (印刷中).

  • [文献書誌] 宮岡 徹: "触覚における滑らかさ認識機構の解明" 日本人間工学会誌. 32. 536-537 (1995)

  • [文献書誌] 宮岡 徹: "触覚系の微細表面粗さ認識における空間的加重の効果" 感覚代行シンポジウム論文集. 21. 43-46 (1995)

  • [文献書誌] 川村,大岡,宮岡,三矢: "ヒトの粗さ識別感覚の計測装置" 第13回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 3. 957-958 (1995)

  • [文献書誌] 宮岡 徹(共著): "心理学辞典" 有斐閣(印刷中),

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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