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1996 年度 研究成果報告書概要

発達障害・自閉症児の愛着形成過程に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610100
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関北海道大学

研究代表者

古塚 孝  北海道大学, 教育学部, 助教授 (30091490)

研究分担者 陳 省仁  北海道大学, 教育学部, 助教授 (20171960)
研究期間 (年度) 1995 – 1996
キーワード自閉症 / 発達障害 / 愛着 / 情動発達 / 心の理論
研究概要

自閉症児(Kくん)のセラピーを2才から3才まで、合計38回施行し、それをビデオ録画した。セラピーは自閉症児に対する個別プレイセラピーと母親の養育相談であり、1回2時間を要した。研究はビデオテープを文章化したデータを分析し、愛着にかかわる母子の相互作用に焦点をあて考案した。
仮説:自閉症児はFrithの言う“断片化された世界"に生存し、それは予測期待の成立しない、一貫性のない世界であり、記憶することがその後の世界の理解に効果をもたない世界である。それゆえ彼らは世界の安定性を求めて常同行動(同じことの維持)に走り、安定しているとみなせる特定のもの(Kくんの場合ミニカ-)に執着する.それゆえ療育・セラピーは、初め、Kくんの母親が一貫した、安定した反応を示し続けることである。
(1)セラピー第一段階
母親は、同一性の保特・ミニカ-への執着が子どもの不安と恐怖のあらわれであることを認識し、対応を行える準備をする(母親への養育相談)そして、具体的に、子どもとのあそびを展開する中で、ミニカ-あそびが不安・恐怖の表現であることを理解した。加えて、子どもが感情表現できない現状にあることを了解して、安心感を得させるため、徐々に抱っこを導入する。当初抱っこは不安をもたらすものであったが徐々に安定をもたらすものに変化した。
(2)Kは徐々に感情表現が可能になり,電気掃除機に対する恐怖を表現し、加えてその時の母親の適切な反応・対応により,避難場所としての母親を認知するに到った。母という「他者」の発見と平行して,自己の要求に気づき,要求→満足過程の中で母との関係性を徐々に愛着的なものに変様させた。
従来自閉症児は愛着が成立し難いと云われてきたが,この原因の1つとして,子どもの感情表現の困難が考えられた。セラピーの中で、その子ども特有n表現を意味づけることができれば発達障害の改善が得られることが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 古塚 孝: "親子相互作用の整備改善のための親への援助" 別冊発達22号. (印刷中).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 古塚 孝: "高機能自閉症者の認知・記憶機能の特徴" 特殊教育学研究. (印刷中).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 日下 優美子: "記憶の機能的成分からみた自閉症者の学習過程の特徴〜関係表象とカテゴリー表象分離手続きを用いて〜" 日本心理学会第60回発表論文集. 60. 782 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 内田彰夫: "自閉症者の反復経験による規則性の獲得" 日本特殊教育学会第34回大会発表論文集. 34. 842-843 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] FURUTUKA,takashi: "THE SUPPORT FOR PEARENTS WITH DEVELOPMENTAL DISORDERD CHILDREN." Bessatu Hattatu. Vol.22, (in press).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] FURUTUKA,takashi: "COGNITION OF HIGH-FUNCTION-AUTISTIMS AND THEIR CHARACTERISTICS OF MEMORY FUNCTION." Japans Journal of Special Education. (in press).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KUSAKA,yumiko: "THE CHARACTERISTICS OF LEARNING PROCESS OF AUTISTIM IN THE FUNCTIONAL COMPONENT OF MEMORY-WITH THE DISTINCTIONAL PROCEDURE OF RELATIONSHIP REPRESENTATION AND CATEGORY REPRESENTATION-." Reports of 60th meeting of Japanes Psychological Association. 60. 782 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] UCHIDA,akio: "THE AQUISITION OF RULES BY THE REPETITIVE EXPERIENCE FOR THE ADULT WITH HIGH-FUNCTIONAL-AUTISM." Reports on 34th meetings of Japanese special-educational association. 34. 842-843 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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