本研究では、高齢者の外見的特性の評価がどのような要素や特性に基づいているかを検討することを目的とする。また、高齢者の外見的特性を評価する手がかりとして、どのような要因が重視されているかを検討し、その特徴を明らかにする。さらに、高齢者・成人・大学生では高齢者の外見的特性の認知にどのような差異があるかを検討することを目的とする。 平成7年度は、高齢者の外見的特性の評価に関する基礎調査のための調査票の設計、および基礎調査を実施した。調査票の設計に関しては、「高齢者の女性で、外見的特性が優れている人物」の諸特性について評価することを求めた。調査票に含まれる主要な項目は、(1)印象・イメージ (2)容姿・服装などの外見的特性 (3)所属・趣味・購買行動などの行動特性 (4)身長・体重などの体型 (5)職業・年齢などのデモグラフィック特性などであった。本調査の実施によって、高齢者は500名、成人は300名、大学生は500名のデータを収集しており、当初の目標を大きく上回る多くのサンプルを集めることができた。次に、調査票への回答をコンピュータに入力可能なように整理し、コード化を行い、データ・ファイルを作成した。また、多変量解析を試みることにより、高齢者の外見的特性を評価するための予測モデルを検討したり、高齢者の外見的特性がどのようなクラスターに分類することができるかについて検討しているところである。
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